2015年4月29日水曜日

『うつくしき貌』本文抜粋などなど

こんばんは~。
ただいま、無料配布冊子の中身を全面的にかえようということで四苦八苦しております。前回の無料配布『Selkie』と通ずるような、けれどもっと濃密な、というかんじに執筆中。間に合う自信がいまいちありませんが、きっと、大丈夫です。

5月4日第二十回文学フリマ東京
落山めのひとりサークル【ヲンブルペコネ】は一階純文学【B-12】でございます。
WEBカタログはこちら→https://c.bunfree.net/c/tokyo20/1F/B/12



お品書き
◎新刊『うつくしき貌』
  文庫判・本編118頁・五篇を収録した短篇集・300円。


◎既刊『ドライ・メライ・ドーリーズ』
  文庫判・本編136頁・七篇を収録した短篇集・300円。残部少ないです。

◎無料配布冊子・既刊『Selkie』
  A5の冊子。無料です。「無料で楽しむ文学フリマ」断然あり!と思って作ったものです。こちらだ
  けでもぜひ、もらいに来てくださいね。

◎無料配布冊子・新刊
  こちら未定ですが絶対に何らかのものは持っていくのでよろしくお願いします。



つまり、無料で楽しむ文学フリマとして、ヲンブルペコネでは二種類の小説が手に入るということです。無料配布は一般参加者さんと出展者、winwinな代物と思って作っているので、ぜひこれらだけでももらいに来てくださいませ。


さて今回の本題は、新刊『うつくしき貌』の本文抜粋紹介です。短篇集なもんで、あらすじをまとめるのはとっても難しく、(というか苦手で)、作品をよく表している、あるいはここはイイと個人的に思う文を本文から抜粋して、作品紹介とします。
ヲンブルペコネ苦手ぽい表紙してるけど、中身どうだろ~というかたにもおすすめです。読み物は相性です。また、わたくし落山のTwitterアカウント@You_Ochiyamaでもぽちぽちと雑記とともに本文紹介をしているので、よろしければご覧ください。



◆『淡水真珠・魔性』
 わたしは真珠と同じだ。「嫌になるわ。わたしたち、お互いに自分が、世界にひとりの人間だって思っていたいのに。いま、こうやって言っていることも、ほんとうは胸が悪いの……」。真珠は万媚の面で嗤う、「僕は、それほどでもないよ。だってお姉さんとお揃いになるもの。淡路、きみ、僕のことが嫌いになれないでしょ。僕もそうさ。きみのことがちっとも嫌いになれないんだ。ちょうど、自分をみているみたいにね」。


◆『失オルガノン』
 ピアノの黒鍵と白鍵の上を、手首は行ったり来たりしていた。そうして確かに奏でられ、音は捧げられる。ピアノ線は、黒い箱の中でほくそ笑んでいるに違いなかった。ハンマーがかわるがわる持ち上がって、スポンジみたいに頼りない円を振り下ろす。ああ、あの偏執的に整列したすべての線たちは、どうして小毬を裏切ったの?


◆『相律の葬列/白昼夢』
 目覚めてアンジュを乞い、微睡みにアンジュを乞う生活は、夏の幻影、アンジュの律の残滓が馨り、ぼくを幸福にするはずだった。不幸に陶酔することこそ、最上の幸福ではないかと、ぼくは思っていたのに。「ぼくはアンジュと交わらない」。いっときぼくに夢を見せたこのフレーズがもたらす、絶望!


◆『ワンダリング・セブン』
 劇的に、しかしながらひどく不恰好に、わたしの運命は引き攣れとして頬に隆起し、あるべき姿を捻じ曲げられた。いま傍らにいるひととの、怯えと苦悩と安楽のなかにある暮らしを考えれば考えるだけ、わたしは頬を撫ぜずにはおられない。
 だっておそろしくて痛い。
 なのに、焼き付いて、離れがたい。


◆『淡水真珠・聖性』
 藍色は暗く、そこかしこに満ちてわたしをうかがう。どんな路地を通っても、わたしを視るそのおそろしい眸は消えない。白昼の、すべてが白く飛んでしまった呆けた顔のほうが、わたしには安全に思える。ほんとうにすべてを見通してしまうのは、夜なのだから。夕立ちの名残りが、渇き餓えた黒い路面から、匂いやかに立ちのぼっていた。
 悲しいのかもしれない。叔母がわたしに飽いたこと、群青色の彼の存在する意味が、叔母の
気まぐれひとつで、陽炎のようにあやうくなってしまうということ。そして他ならないわたし自身が、その叔母に従ってしまいたくなること……。



こんな感じです。『失オルガノン』だけは、山猫文学会の冊子に寄稿したものを再録しましたが、他四篇はすべて書き下ろしました。
どうでしょうか。今回のテーマは『貌』ですが、それぞれがそれぞれ、色濃く意識されている作品たちになったかと思います。お気に入りというかおすすめは『淡水真珠』の両篇なのですが、こちらは対というか、互いに意識して書いた作品なので、おわりとはじまり、どちらも読んでください、ぜひ。

今回の本は自分の迷いがかなり出てしまった、と悩んでいたのですが、製本していただいてこうして手元に来たものを改めて読み返すと、それがいい味になっているなあと思いました。自分で言うのもなんですが。前回『ドライ・メライ・ドーリーズ』を気に入ってくださったかた、あるいは苦手だったかた、わりかし雰囲気が変わっておりますので、どちらにせよどうか、読んでみてください。
そして感想をいただけたら嬉しいなあ。(はやいですね)

そういえば前回のレイアウトを反省して、今回はかなり読みやすくなっております。

無配が無事終わったらまた!!
ブログを!!
更新したいですね。文フリ出展者のみなみなさまも、どうぞヲンブルペコネをよろしくお願いします。なんだかんだで二度目の参加なので、きんちょうします。



落山 羊



◎近況
正本ノンの『風物語in横浜』を読んで、あらためて自分には少女小説の血が流れているなと。それにしても『風物語in横浜』、いまだにバイブルって言うひとが多いのがすごくわかるというかめちゃくちゃよかった。時代を感じる。個人的にコバルトは最初期よりも第二期というか、ファンタジーブームのはじまりあたりが好きなので、氷室さんも初期作品はぜんぜん読んできていませんでしたが、これは読まなきゃなあと思いました。なんというかすごいよ、思春期だ。そして落山は何歳なのだ、と。いまのBGMはBARBEE BOYSです。




2015年4月21日火曜日

WEBカタログ公開&書影

こんばんは。
四月前半の時間の経たなさの苦痛から一転、目が回るほどに忙しくて日々グロッキーです。そんなこんなでまた出遅れましたが、文フリWEBカタログ公開されましたね!
とっても便利なWEBカタログ、がんがん使ってまいりしょうね。一般参加者さんもぜひぜひ、ということで。あとあの、「気になる」ボタンがつくとめちゃくちゃうれしいのでわたしも積極的に使っていく所存です。


まずおさらいというか、第二十回文学フリマ東京は5月4日です!東京流通センターです!

サークル名【ヲンブルペコネ】
代表者名 【落山 羊】
ブースは一階純文学【B-12】

https://c.bunfree.net/c/tokyo20/1F/B/12
↑こちらがヲンブルペコネのページになります。ご覧あれ。


WEBカタログの紹介文句と同じものになりますが、今回の文フリで頒布する本を改めてご紹介します。

◎新刊
『うつくしき貌』
文庫判・本編118頁・300円
 生ぬるい夜と、拒絶満ち満ちる世界、変身とを、柔らかにえがきだしました。五篇を収録した短篇集。テーマは「貌」。

◎既刊
『ドライ・メライ・ドーリーズ』(残部少)
文庫判・136頁・300円
 まぼろしの胎から切り取った少女像を籠めた、湿気に溢れる短篇集。七篇を収録。テーマは「少女」

◎無料配布
『Selkie』(既刊)
セルキー伝説をモチーフにした幻想短篇。無料配布冊子となっておりますので、こちらだけでもぜひ受け取りにいらしてください。



というわけです。
無料配布はもう一種類新しいのをつくってもってゆく予定ですが思いのほかいろいろに圧迫されているので最後まで明言はできない……。ともあれ、無料で楽しむ文学フリマという一面に貢献したくおもっていますので、わたくしも頑張ろうと思います。

既刊ですが、『ドライ・メライ・ドーリーズ』のほうは残部が少なくなっております。お気を付けを。


そしてそして、新刊『うつくしき貌』の表紙を公開です。
ばーん。



どうでしょう。
カラー印刷です。絶妙な色の文字がどう出るか楽しみです。(フルカラーにしたのに単色。)
表紙用紙にいろいろ悩んだのですよね。個人的には厚いほうが好きなので、色紙を使いたいところをぐっとこらえて、ペルーラを初使用です。前回のアラレがすごい好きでそちらとも悩みましたが、作品の内容や表紙デザインなんか考えて、ちょっとこう、しっとりいこうみたいな風に。

レイアウト、前回よりは見やすいものができたかなと思っております。個人誌以外の編集やったのもやっぱりいい勉強になったかなあと。ちなみに本文は淡クリームキンマリですわーいわーい。

前回記事にも載せましたが、目次はこんな風です。

 淡水真珠・魔性
 失オルガノン
 相律の葬列/白昼夢
 ワンダリング・セブン
 淡水真珠・聖性

さて、どうなるやら。実物が届くのは二三日先なんですが、楽しみで楽しみで仕方ありません。収録作品のタイトル見ていただけるといかにもこの表紙に相応しいようですが、実は前回の『ドライ
・メライ・ドーリーズ』よりとっつきやすい一冊になったかと個人的にはおもっております。

その分、百パーセントの勢いで書きたいものが書けたのかというと素直に首肯できないきもちもあるのですが、そのときどきに書けるものというのが確かにあるのだとおもいます。わたくしは過渡期にいるのだ、試されているのだ、何かが変わるのだ、という、ちょうど交差点に立ってしまったような感じです。いささかの迷いもエッセンスとして、この『うつくしき貌』であります。


どうぞ、よろしくお願いします。


落山 羊

2015年4月14日火曜日

ブース決定&入稿完了、死して屍

こんばんは。
日付変わりましてもう14日ですね。文フリ金沢は日曜日ですっけ?

さてわたくしは第二十回文学フリマ東京のほうへと出展いたします。
このたびブースが決定いたしましたのでご報告をと思いつつ、なかなか原稿がうまくいかず、もだもだしているうちに発表から少し間が空いてしまいましたね。


第二十回文学フリマ東京
5月4日 於:東京流通センター

サークル名【ヲンブルペコネ】
代表者名【落山 羊】
ブースは一階純文学【B-12】


というわけで、前回と同じ場所です。お隣には東京大学文学研究会さん。(偏差値で殴られたらどうしよう)

そして肝心の頒布物ですが。
たった今、入稿完了しました。ほんとうにたった今。若干ハイです、吹っ切れてしまったので。


『うつくしき貌』
文庫判・本編118頁、短篇を5篇収録、300円。

内容は
◆「淡水真珠・魔性」
◆「失オルガノン」
◆「相律の葬列/白昼夢」
◆「ワンダリング・セブン」
◆「淡水真珠・聖性」
の5篇です。

テーマはタイトル通り「貌」。前回の『ドライ・メライ・ドーリーズ』よりもソフトで、(悪い言い方をすると中途半端でもある)作品集となりました。よりとっつきやすい印象だと自分では思うのですが、どうでしょう。自分で読むと書いた時系列がまるわかりで頭を抱えたくなります。

「貌」は「かお」であり「すがた」です。
目に見えるもの、見えないもの、夢、あるいは仮面、傷痕。
美醜、そして孵化。
少女的であり少年的であり、すべての変化の可能性を持つ生き物を、「貌」から描き出しました。表層もひとつの真実である、というのがこの作品集のあたりまえのこころです。裏テーマは「異端・幻惑・拒絶」の三本立て。表紙やあらすじから耽美ーと思われるかもしれないのですが、(というか耽美にしようと思っていたのですが)、そんなことはありません。
おもしろいとは無責任には言えませんが、『ドライ・メライ・ドーリーズ』とはまた違った趣向で個人的には変化している自分がぐわーってなったりしております。

またWEBカタログ公開のときなんかにでもブログ書こうと思います。
あらすじ紹介や、実物が着き次第書影も公開したいですしね!

そんなわけで、まだもう少し日数あるので、なんとか無配冊子をつくれるよう努力したい落山です。
二回目の参加ですが、また、どうぞよろしくお願いいたします。


落山 羊


◎近況
ダイ・シージエの『月が昇らなかった夜に』を読了。彼の映画が好きで、小説を読むのは
はじめてだったが、たいへん好みだった。というか、映画の雰囲気そのものだなと。アジア人から見たフランスの「いい感じ」をすべて凝縮してぽんって出されたかんじのさりげなさとかおしゃれさとか滑稽さとか、たまらない。エモいで片付けたくないんですけれど、エモい。この本の構成からなんかいい着想を得たので、小説かいていきたい。今は『孔子の空中曲芸』を読んでいて、さらに本日『フロイトの弟子と旅する長椅子』が届いた。肝心のお針子原作は最後に読むつもり。