2016年12月25日日曜日

うっかり掘り起こした骨がうっかり左胸にぶっ刺さった(オカワダアキナさん『晩年のままごと』を読んで)がしかし、生きている

振り返れば損なわれてしまうかもしれないというおそれによって書くことのできない脆弱と晩年にようやく踊る身体になれるひと。夢枯れてみんな死ぬ。しかもしあわせに。


そんなの!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


オカワダアキナさんの『晩年のままごと』を読みました。
あまぶんサンタになれませんでした。

あまりにもつらかったので、先日お会いした時におかさんにつらかったんです、って何度も言いました。(あれは思い出せば絡んでいた、すみませんでした)。『晩年のままごと』。なにかおそろしい引力を感じて買った。合同誌でご一緒したり打ち上げなどで同席したりしていたのにおかさんのご本をちゃんと読むのははじめてという不義理!(かといってこれを読んだことにかんしては義理ではない、本命……)。

つらいとかいっぱい書いたけど、『晩年のままごと』およびオカワダアキナさんになにがしかの悪感情を抱いているとかではありません。ただ自分がおセンチな読み方をしてしまい、つらいと言ってしまった。どうかご寛恕ください。

人間関係の不良なんですよね。
仲良くなれるんです、そしてどうでもいいんです、でも愛する機能を働かせることができるんです。だから愛しすぎてしまって時折つらい。もう断絶してしまった、かつて愛したいろいろな(とてもわずかな)ひとたちを思い出す時、昔のままの自分と彼と彼女がいる。いまの自分はきっと幻滅されるだろうと思う。彼や彼女がいたときの自分というものは、明晰で、鋭敏で、繊細で、ユーモアがあって、輝きを引き出されていた、引き出しあっていた(と美化するところまでがお約束です)。
実際輝かしくて尊い、過去です。
わたしは頭がいいひとが好きで、天才的なひとによくよく惹かれました。そのときの自分は追いつこうと足掻く努力家でした。彼女に取り入り、けっこう露骨に近寄って、それから仲良くなりました。とても。努力するひとにもよくよく惹かれました。そのときの自分はは生まれついての天才でした。(そのような存在だと錯覚していました)。仲良かったです。すごくとても。周りの人にあらぬことを疑われるくらい。そして誰にも代えがたい、生まれる前から親同士の縁があり、あたりまえのように特別な幼馴染。彼女がいればわたしは他の人間がひとりも必要じゃないと思った時期もあった(主に、思春期に)。

うまくつながっていません、もう。
恋はしませんでした。

万事この調子で読み進めてしまい悶絶必至です!……嫌なひとは読まないでくださいね!
もう年末だからいいかなあと思いながら、好きな箇所をぴっくあっぷしつつ感想を書こうと思います。個人的すぎてなにも伝わらないので感想というのも気が引けるのですが、とにかく総括すると「つらい」です。




▽▼▽▼▽▼



 冷静。冷静になれとわたしに言っているみたいだ、なんてふと目にしたものから時分へのメッセージめいたものを受け取ってしまう、受け取ったような気になる、こういう物欲しげな癖はもうやめにしたい。p.15


ほんとうだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!
「こういう物欲しげな癖」!だと!?こなくそ!


 どうしようもない老後の日々だと思った。 p.19


上のような、愛するひとがいないとき、これを思うことがありますね。とはいえわたしはまだまだ青年なので、さすがに晩年だーと言い出すのは無理です。こわいです。老後なんて……老後を迎えずに死んでしまうほうがいくらかよかったんです、きっと、カタリナは。


 当時わたしたちはとても仲が良かった。だけど卒業したらあっというまに疎遠になってしまった。家だって離れていたから、一緒にいたのは高校の三年間だけだ。どうしてだろう?
 たぶんあの頃、仲が良すぎた。それぞれ別の生活を始めて、変わってゆく姿をみたくなんかなかった。 p.30


ここは半泣き+ぶちゃキレながら読みました。
これリアルすぎていやです。「たぶんあの頃、仲が良すぎた」そうですよね。みたくないんですよ、それにきっとその頃の自分は「手放すことのうつくしさ」といったものに浅い憧れを抱いていました。こんなに仲が良かった、こんなにも大切だった、でも棄ててしまおう!だって青年になるのだから!というふうに。これは思い出すと心臓がかなりドキドキして嫌な汗が流れます。でも、暴かれるんだ。腹立つよね~……。


 そして、骨にはどのような役もできそうにないなと思った。 p.53


ウッ!そうですね。
きっと再会したときにはもう白骨のようなものです。そのときに美化に美化を重ねてぶくぶく肥っていた思い出のなかの彼や彼女も白骨だったと気がつくんです。纏わせていたのはわたしの肉の欠片だけだったんです。そんなものを後生大事にとっておきたいんです。だから突きつけないでほしい。現実に帰りたくない。現実がつらいわけじゃないし、普段彼や彼女のことなんて(もう断絶してしまったので)思わないんですよ。たまたま見つけてしまったSNSをウォッチしたりすることはあるんですけど、そのカタリナの行動、めっちゃわかるんですけど!
でも骨にはどのような役もできそうにない。できそうにないというか、できない。
のちのカタリナが視る夢に出てくるキリエは骨と踊っている。骨とセックスする。これって、でも、ちょっと救いでした。結局キリエ(彼や彼女)も、わたしと同じように骨となったわたしに似たものを求めていたかもしれないと思えたんです。って書いてからこれは自分クソ気持ち悪いなと思っていま泣きそうになったんですけど、思いあっていたと思えた。これは『晩年のままごと』が小説で、わたしはわたしの世界しか見ることができないということを超えているから、小説でよかったなあと思ったところです。個人的なことばかり書いているとこの作品が小説である必要があったのかとか考えるんですけど、そうじゃなかった。よかったーって思った。でも骨ですからね。


 「――僕はもう生きるのがつらい」 p.57


これはただキリエがひたすらかわいいというポイントです。こんなこと言われたらわたしはねえ、落ちるよ。


 『でね、最後、カタリナとドイツ式フライドチキンっていうのを食べて目が覚めたんだけど』
 キリエの夢にわたしが登場していたので、なんとなく訂正しそびれました。 p.81


ここもひたすらかわいい。
けど、「なんとなく」訂正しそびれたカタリナのすがたがわりとつらい。カタリナはしばしば「めんどうだったから」とか言うタイミングを逃して思ったことを言わないのですが、その言い訳がましい前置きと、言わないという事実においてつらい。説明できない。


 「でも全然どきどきしてなくない?」
 「してなくはないよ」 p.91


カタリナがキリエの心臓の不在に気がつくより前に、右か左かという前に、キリエはカタリナの心臓の不在を、ときめきの死を観察しているように感じられた。前頁の「心臓が鳴ってる」は普遍的な意味しかないのではと思った。どきどきしてない。でもその平静さで愛することができる関係が!これ!TURAI!そういうものでしょ?ってちょっと訳知り顔をしたいんですけど、知りません。……いや。


 キリエはおとこではないから、そんなことに何か奇跡みたいなものを求めたりはしないのだろうか? でもそれをかなしく感じてしまうなら、わたしにはキリエを愛する資格みたいなものがないんだろうか? p.92-93


アーッ!
かなしく感じてしまうなら。愛する資格みたいなものが。ないんだろうか!
ここは文章もとても好きで、内容もとても好きで。この直後の骨と踊るキリエ、うらやましく遠い踊れる肉体のキリエが!いやだ!と思いつつ彼女は骨と踊っている。カタリナの脱殻、ふたたび会ってしまったときにキリエが抱いていたであろうまぼろしは、白骨で、幻滅でも、キリエは骨と踊れる。そんなのやだ!かなしい!踊るな!


 「さよならしよう」
 「え?」 p.105


チャーミングな弟は『晩年のままごと』の登場人物のなかでとても好いなあと思ったキャラクタでした。夫も同様。それっておとこだからだろうか。わからない。少なくともカタリナについては、そうだったのかなあ。かわいいよね、弟。りなちゃんて。


後半はもう付箋をつけなかった。
死んだーーーーーーーってなって死んだ目で読みました。死んだ……。
ひよこ饅頭なんて!あほか!と思いながら。とてもつらかったー。無理。どんなキリエもみつけたくない。このラストが彼岸だとしたって、こんなぬるい花火大会に参加してたまるかというふつふつとした怒りさえ感じる。でもそれが『晩年のままごと』で、老後の日々を送る30歳のカタリナのかなしみと老いなのだろうか。ひゃーん。しあわせに死ぬなんてゆるしがたい。こんな死に方をするなんてあなたが小説の中のひとだからだ!死んだことないからわかんないよ、わたしには!
こんなの書いたら、わたしだったら死んじゃうな。

カタリナの空想であり、キリエの空想であり。
芝居のなかで生きるカタリナの夫は、この物語を包括して概観するからきっと体験し得ないでしょうね、一生、このつらさ!と思った。(これもひどく身勝手なので、夫がつらい思いをしていたらどうしようと思う)。でも夫は、カタリナのキリエにはならない。結んでしまったから。そう言う意味で、交わってしまったキリエとカタリナは変わらないまま変わってしまう。弟はどうだろう。りなちゃんとの決別の軽やかさ、すぐに戻ってくることができたとして、なにかは決定的に変わる。それを表面化させない気安い弟の魅力はいまこうしてうだうだしている人間にはうらやましい。
白骨が突然玄関先にいたらとても嫌だ。そんなふうに突き付けられたくない。……と思いながら、自ら『晩年のままごと』を手に取ったはずなのに、さも突然玄関先にぽいしてあったみたいに嘆いてしまった。カタリナとキリエなんて。どうして一緒にいられないんだろう!わかっていながらこの想いが尽きない。そんなの無理ですよね。でもお話だから、花火、できるんだなあ。いいなあ。ムカつくねえ。
あんまり尊いひとなんていないほうがいい、とは口が裂けてもいえない。そのときに抱いたたくさんの思いはとても小説に書けることではないから、こうしてブログでゲロゲロと吐き出している。作品にしてしまったら損なってしまうようでかなしい、そんな感傷が自らの若さなのか、それとも気質なのかはわからないけれど。一番好きなものは最後に食べるタイプです。でも、腐れるほどほっておきはしないよ。
実際なにもかもスパッと断ち切るなんて無理で、カタリナが娼婦のキリエを見つけたみたいに、わたしは見つけてしまう。新年になると、なんとなくあけましておめでとうをしようか迷うし、年賀状が来なくなった年は切なかった!年賀状の習慣は、以来廃止しました。




ところで先日の忘年会では、そにっくなーすさんと感情がのっぺりする話をしました。あるものはあるままに受け取るわたしの諦めが感受性の鈍さに繋がっているようで嫌だ、かといって激しさのまま生活したらとてつもなく苦しいだろうしいらない、といったような。
輝きてえ。あほかって思うじゃないですか。でも輝きたいです。
おもしろい会話をしたい。どんなに趣味が違っていてもなぜか相手の考えが手に取るようにわかってしまうときの快感って何事にも代えがたい。ツーカーで話して、脳みそを抱きしめるみたいな関係って、たしかにあったんですよ。そんなひとと出会えたことが奇跡的なんで、手放してもきっと別の人があらわれるかも(王子様のことじゃないですよ、これは。運命の対の話でもないんです、もう断絶を経ているので)と思うじゃないですか。いないですよね。なんか。はじめの一歩をわたしが踏みだせていないだけなのか、それとも過去がうつくしすぎたのかはわからないです。青年だなんてばかばかしいのですが、大人になりつつあるのでなんだか。嫌です。

とある日、日光のやっすいホテルで布団を並べて、幼馴染と決別しました。いまでも付き合いはありますが、突然互いの家を訪ねたり、電話したりはしなくなりました。
「わたしたちなんか違くなったよね」
とわたしが言ったら、幼馴染は、
「というより、あんたが違うって思ってることがわかる」
と言いました。
このときめちゃくちゃ感動して、かなしくて、もう無理だって思ったんです。同時に違うって思ったのがわたしからだったことがやるせなくて、思ったくせにどうしてこのままでいられないんだろうとゼツボウでした。つまり高校の卒業旅行だったんですけど、もとから同じ高校に通っていたわけでもないのに、大学が離ればなれになったっていままでの距離を物理的に維持することは可能だったのに、もう無理です。こんなこと書いてると万一目についたらひとをコンテンツにするなと怒られそうではありますが、なんかもう『晩年のままごと』を読んだら書きたくなったのでしようがない。
ほんとうは彼や彼女のことも書きたいのですが、それはもう幼馴染ほど決定的でもなければ土台のようなものがあるわけではないので、やめます。嫌われたらヤダ……(保身するだけ、いまでもわたしのなかの彼らは愛すべき存在で、それを書きながら思い知らされるのでつらいです)。

この散々言っている「つらい」もたぶん愚痴めいていたり、生活で良く発生する「つらい」とはちょっと違って、なんというか、説明できない!わたしが経験してきた代えがたい人間関係に強く紐づいている「つらい」なんです。こんな人間関係を経ているひとはみんな『晩年のままごと』を読んでほしいし、つらくなればいいのにって思います。いま、特別に尊い大切なひとがいるひとも『晩年のままごと』を読んでこわくなってほしいですね。

いいとか、おもしろいとか、ぜんぜんそういうんじゃなかった。でもおかさんありがとうってすごく思った。このブログ、あまりにも私的なので、年が明けたり恥ずかしくなったら消しちゃうかもしれないけど、それは『晩年のままごと』のせいじゃありませんので、あしからず……。こんなセンチメンタルに巻き込んでしまってすみませんという気持ちでいっぱいになりつつも、半泣きですでに許して状態なので、もうだめ!です!メリークリスマス!

みなさんは良いお年を迎えてください……。
わたしは記憶力が弱いので一年の総括ができるかわかりません……。



落山羊
 

2016年11月26日土曜日

第二十三回文学フリマ東京参加報告

こんばんは、ヲンブルペコネです。
Twitterのモーメント機能を活用してみたため、今回は毎回恒例の新刊ダイジェストはしませんでした。が、おちらでは引き続きイベントレポートというか感想文というかあのね日記を書こうと思います。




ばーん。

代わり映えのしないブース。ただ、今回は頒布数が多いのでぎゅーぎゅー目でした。
なんとなく午後2時くらいまでかなりまったりペースで「まったりだねー、のんびりだねー」と言っていたものでしたが、それから午後4時くらいまででかなり出ました。

ワンフロア開催が最新の記憶だったので、第二展示場こんな狭かったっけ?ってなりました。広いほうがいいなー。あと水曜日開催はすごく嫌だなー(翌日死んでいたので)(しかも雪!)。今回なにか物珍しいことあったかなーと思い出してみましたがギョッとするような方がいらっしゃったりはしなかったので平和でした。とはいえ、近くのサークルさんで中にいる人数があまりにも多いとさすがに窮屈ではありますね……。ひとり参加だとバックスペースが両隣からじわじわ狭くなるのが、仕方ないといえば仕方ないのですけれど。

テキレボで知り合ったかたなどなど、ご挨拶いただいてなかなかうかがえずすみません。なかなか心苦しいところもあるのですが、ありがとうございます。ブースにいるときは基本的に買ってきた本を読んでいたりカタログにチェックつけたりしている派です。あれが通常営業ですー。それくらいのほうが自分は買うときも楽なので……。

お買い物部門ですが、今回は金欠のため抑え目。AIアンソロ(ものすごく豪華な感じでかつ本が超絶綺麗!)、マゾリリさんの新刊(会場で一回読み終えたのですが首がちぎれそうになりました、最高に好きです)を買えたのが特に嬉しかったです。夏のコミティア行って以来イベント三回分くらいの積読が溜まっているのでゆっくり読んでいこうと思います。毎度感想はきまぐれになりますが、書けたらいいなー。最終巻のものが多いので、もったいなくて読めないというのももうありありで!もったいない!だって終わっちゃう……。






今回の落山の新刊『&Blue』はあまり冊数刷ってないとはいえ、9割がた頒布できました。手にとってくださったかた、ありがとうございます。今回の文フリで年内のイベント参加は終了ですので、残部は来年またぼちぼちと頒布しようかと思います。増刷……するにはちょっと直さなきゃいけないところが多すぎてものすごく悩ましいのでしないかもしれません。

参加させていただいた『季刊ヘキ vol.5』『おっさん×少女掌編アンソロジー 歩みを寄せて』の作品と同じ人物たちが活躍するお話しです。まだ在庫ありましたら、上記のアンソロジーもぜひ手にとってみて欲しいなーと思います。今回は事前にネットプリントも出していたのですが、お楽しみいただけたでしょうか? 本編読むとなおさらぐだぐだできる仕様だったので、後々もう一度同じものをネップリ配信しようかなと思います。

※在庫ですが、ここまでとっておいてーっていうのあったらこっそりお声がけください。基本的に自家通販はやらない予定です。

既刊はそれぞれ一冊、二冊といったふうな余り方ですっごい渋い顔をしていたんですが、仕方ないですね……もう逆に手にとりにくいだろうなと思いながら並べてました……。

打ち上げは崩れる本棚さんや遠藤ヒツジさんらとご一緒させていただいて、まったり楽しかったです。毎度お世話になっています。いろいろ面白いお話を聞いたりもしました。来年またよくわからないことをやるかもしれませんがよろしくお願いいたします。文フリのはじまりで元気だったわりに打ち上げくらいになると眠くて眠くて仕方なくて大変でした。家帰ってしばらく床でごろごろしてました。久しぶりに人間の恰好をしたら疲れた。


★今後のイベント出展予定

・受かれば2月のコミティア
これはイラスト×小説の合同誌『Odd』を発行予定です。イラストはお友だちのあかりちゃん、小説は跳世ひつじです。テーマはちぐはぐ、で混沌とした暗い本を作ろう!ということで進行中です、乞うご期待!サークルカットもかわゆいのです。リアルのお友だちと本を作るのは初めてなので、打ち合わせという名の飲みで楽しくことを進めています。あかりちゃんはザル。

・4月1日テキレボ
まだ振込完了していませんが申込はしました。アンソロもまだです……。
ここに合わせてカクヨム掲載中の跳世ひつじ『病める白百合』を加筆修正がっつりやって製本予定です。表紙もふんわり決まりかけているのでこちらも乞うご期待。『赤錆びと渇きの。』『眩暈の紫』と同じ世界観の三作目、最後の予定です(まったく連続したお話ではありませんが、このホーンという世界観はここで打ち止めということで)。

・5月7日文フリ東京
この時期になると自分が生きているか自信があんまりないです。落山の新刊出せたらいいけど出せないかもしれない。その際は『ラプラスの新悲劇』の増刷でもしますね。へへ……ほんと来年なにしているのかな……。


そんなわけで、まあぼちぼちマイペースにやっていきます。
跳世の作品が先に色々来るとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。なにかお誘いありましたら気軽にお声がけくださ

い~。


寒いと心も体もつらいです。風邪もひくし!
でも近ごろは生活が充実していて楽しいです。


ヲンブルペコネ

2016年10月15日土曜日

『赤錆びと渇きの。』『眩暈の紫』委託通販のご案内

こんばんは!
先日のテキレボ新刊の通販がはじまりましたので、お知らせします◎

アリスブックスさまでの委託通販となっておりますので、イベント頒布価格とは異なりますがご了承ください。わたしのほうには個人情報が渡らない仕組みですので、安心して利用いただけるかと思います。


『赤錆びと渇きの。』

http://alice-books.com/item/show/6028-1

750円(税別)
B6判・本文80頁 著者:跳世ひつじ 装画:あるびの

本文抜粋ブログはこちら→ 『赤錆びと渇きの。』本文抜粋


赤錆びの雨が降り、街は陰鬱に彩られていた。
青年マリアは、薄暗い雨降りの昼に、《人形店》の主とその作品を殺害した。己のなかの殺人者の影に喘ぎ、苦しみ、悶える彼は、自らが手にかけたはずの少女人形オルガと再会する。殺したものと殺されたものはやがて奇妙な関係を築き、餓え渇く魂を埋めるため、ひたすらに腕を伸ばしはじめる――。
「貴方は僕を欲望する」




『眩暈の紫』


http://alice-books.com/item/show/6028-2

※アリスブックスさまに登録した画像には帯がないので、こちらは写真です。実物ー。

550円(税別)
B6判・本文60頁 著者:跳世ひつじ

本文抜粋ブログはこちら→ 『眩暈の紫』本文抜粋


双子の一方は若く、一方は老いていた。
赤い雨が止み、奇病が蔓延るホーン。数年ぶりに師のもとへと帰ったヴァイオレットは、幾度も繰り返す少女の生のなかで、いつも死だけを見つめていた。
師弟のきずなと双子の情、街の愛し児たるヴァイオレットは、誰を愛し、誰とともにあることを選ぶのだろう。
「あたし、あんたを許すわ」




以上2点の出品となっております。
11月23日文学フリマ東京にも持ち込みますので、もしイベントにいらっしゃるかたはそちらで手に取っていただくほうが楽かもしれません。タイミング的には10月23日のコミティアが終わるとアリスブックスさんで委託通販をするサークルさんが増えるので、なにか目的のものがあるかたは一緒に利用してくださると嬉しいです。





跳世ひつじ

2016年10月9日日曜日

Text-Revolutions4(テキレボ)参加報告

こんにちは!
お昼過ぎに起きました。

昨日のテキレボ4、お疲れ様でした!
当サークルの本を手に取ってくださったかた、挨拶いただきましたかた、朗読を聞いてくださったかた、ありがとうございました!!
一般来場者数が前回の倍となtったときいて驚くとともに、頒布数が文学フリマに比肩する実績となりまして、御礼です……。今回はまさにテキレボんドリームだなあと思いました。

あっあとたくさん食べ物いただいてしまって……おいしくたべます! 売り子にもお気遣いありがとうございました。



■頒布部門


ブース画像ですー。
今回久しぶりに帆布小物も持って行ったらブックカバーもいくつか旅立ってゆきましたー。お声がけいただければまた持ってゆきます。

今回からだんだんだんぼーるのミニを導入し、文庫サイズの既刊をまとめて置いてみました。やっぱり下のポップにまとめて価格書いとくのわかりにくかったみたいなので、もう次回からはサンプルにべたべた貼ろうと思います。
新刊は中央です。後ろが若干散らかってるのはですね、机上小説家とか!そういう!やつですお許しをー。ちなみにこれはまだ開場前でした。

毎回うまくレイアウトできないのでアレです。テキレボの机デカくて厄介なんですよー……。

今回は会場すごく見回り易かったです。机上小説家の特設パネルあたりはやや謎めいてしまっていましたが……。見本誌棚の位置も休憩机もよかったんじゃないかなーって思います。なんだかんんだばたばたしていてゆっくり会場遊泳する暇はなかったのですが、相変わらずわちゃわちゃしていて楽しかったです。

頒布実績の詳細は省きますが、



『赤錆びと渇きの。』
『眩暈の紫』
の新刊二種はたくさん出ました、ありがとうございますっ。朝一で買いに来てくださったかた、あるびのさんの美麗表紙を見て来てくださったかた、楽しみにしてたとお声がけくださったかた、本当にうれしかったです。あと打ち上げであるびのさんの表紙を自慢していたらお買い上げくださったかたもありがとうございます、本当に……。

イベント前のTwitterで、「#テキレボで楽しみな本」「#テキレボでオススメな本」で取り上げていただいたことも大きかったと思います。わたしもみなさんの本をもっと上手にオススメできるようになりたいです。

ちなみに、『赤錆びと渇きの。』と『眩暈の紫』は後日アリスブックスさんで委託通販予定ですので、どうぞよろしくおねがいしますー!!がんがんがんがん!!

わたしは不在だったのですが、お買い物代行さんもあったようでうれしかったです。無配のないサークルですみません、気力は尽きました。個人的にはポスカもらうと嬉しいんですが、自分でつくるとデザインとかちょうどよいSSの文章とかに呻りそうなので見送っておりました。

無配とはまた違いますが、今回はじめてお名刺つくって、かわいいーって言っていただけてきゃほーいでした。打ち上げで配らせていただきました。



■ステージ部門

遠藤ヒツジさんとの「羊たちの朗読」ですが、聞いてくださったかたありがとうございましたー。
あそこのステージに立っているとスピーカーが遠いのか、やたらとマイク音量が小さく感じまして、別の場所で聞いていた妹や知り合いに「声割れてたしでかかったよ」と言われてヒャーンてなりました。がなってたらすみません、でもね、ほんとステージのとこだとマイク不調か?くらいの気持ちだったんですよ……!
遠藤さんとは10月2日のオープンマイクSPIRITもご一緒してたので、「アルコールいれないとだめだねー」と言いあいました。そんなわけあるかですね。
これからもほそぼそとリーディングにかかわっていけたらなーとちょっと思ってます。そにっくなーすさんのライブも22日にヒソミネであるそうですよ! そにっくさんめっちゃ素敵でしたよね、「うまい、うますぎる」そう埼玉県民ですね。



■お買い物部門




その他、無配本多数!

いっぱい買いましたー。個人的には待望の『七都』最終巻と、『ヒール男子!』最終巻買えてホッとしました。楽しみにしていた本ばかりなので、読むのが楽しみです。また感想をぼちぼち上げられたらいいなーと思いますがシャウトにしかならなかったり下手くそだったりするので気まぐれモードでご容赦ください。

あと、売り子参加してくれた妹も何冊か買っていたようだったので、そっちもあとで見せてもらおうと思います◎



■打ち上げ部門

弩級人見知りですが、今回テキレボ公式打ち上げに申し込んで、当日終わりに近づくにつれて動悸がしていました。懇親会ではひとりでぽつんと座り、そこから打ち上げまでの空いた時間は会場の壁際でぽつんと座って、とにかくぽつんと座ってたんですが、打ち上げ!すごく楽しかったです。
同席のかたがたありがとうございました。
みんなで無配や名刺を取り交わして気になる本を買わせていただいたりして。実のところ最初はかなりぎこちない感じの空気だったんですが、それから和やかに盛り上がって、ほんとうに楽しかったんです~。同道した水煮せんせいのおかげでもあります、ありがとうございました。

新刊が新刊なもので、フェチとかすけべの話ばっかりしてました。たまたま知っているかたや本を買わせていただいていたかたも同席したり、これからの頒布戦略の相談をしたりと話題豊かでおもしろかったです。新たな出会いが新鮮でした。また、幹事のかたもありがとうございました!


■総括

クサクサするようなこともなく、平和で楽しいテキレボでした。次回は4月1日だそうですが、参加したいと思っておりますー。事後トラブルがないといいのですが……。
れぼんちゃんトートを入手できてわたしは満足です。テキレボのどこが好きかと聞かれると、マスコットのれぼんちゃんがかわゆいことと駅から近いことを挙げたいです。
今回は新刊にめっちゃ気合を入れていたので、もっと頒布したいくらいの気持ちもありましたが、引き続き通販や文フリで継続頒布してゆきます~。感想等いただければよろこびますが、自分も気まぐれなのでそこはアレでお願いします、適当で……けれどあるびのさんの表紙は凝視してほしい!愛でてやってください。
あらためまして今回のテキレボでかかわったすべてのかたに感謝をー。

ヲンブルペコネ一同




■おまけ:今後の予定

・アリスブックスにて委託通販(審査中)
・11月23日(水)文学フリマ東京(確定)
・2月コミティア(予定)

といった感じです。
通販は開始しましたらまた多分Twitterでご報告いたします。
@You_Ochiyama
リツイート等多めですが、情報は確実に乗せているので気になる方はこちら見てみてください。
11月文フリ東京では落山の新刊が一年ぶりに出る予定ですので、チェックしていただけると嬉しいです~。ブースはまた純文学でとっております。
2月コミティアはまだ予定ですが、イラストの友だちとなにかふぇちい合同誌を出したいねーと相談中です。待て続報!

寄稿関係ですと、

・雨夜アンソロジー

の寄稿が確定しております。こちら文章とイラストのアンソロジーとなります、雨の夜という素敵なアンソロジーですので、お楽しみに!
その他の寄稿予定はいまのところありません。なのでなんかあったら誘ってくださるとほいほいされます、いかがですかー?

2016年9月28日水曜日

テキレボ準備号・新刊ダイジェスト②

こんにちは。
テキレボのお買い物代行サービス締め切り前になんとかこの第二回新刊ダイジェストを上げようと思っていましたが敗北しました。えーん。
今回紹介しようと思っていた『眩暈の紫』はカクヨムにて全文公開→しているのでまあもうサボっても?いいのでは?と甘えていました。えーん。

それでは前置きですが、Text-Revolutions4は10月8日(土)、浅草は都産貿センター台東館で開催される文芸同人イベントです。
二次創作もありなので、今回は刀剣乱舞フェアも開催されますよー。当日は占いや朗読、ポストカードラリーや即興小説の企画もイベント内で開催されて、大層賑やかになるはずです。「大人の文化祭」ですね。


というわけで、前回『赤錆びと渇きの。』に続いて、二種目の新刊『眩暈の紫』の本文抜粋&紹介になります。




双子の一方は若く、一方は老いていた。
赤い雨が止み、奇病が蔓延るホーン。数年ぶりに師のもとへと帰ったヴァイオレットは、幾度も繰り返す少女の生のなかで、いつも死だけを見つめていた。
師弟のきずなと双子の情、街の愛し児たるヴァイオレットは、誰を愛し、誰とともにあることを選ぶのだろう。
欲望×日常を描きだす、仄暗い一幕。

B6判60頁、400円

ででーん。
両更クラフトに、紫色の帯です。タイトルが『眩暈の紫』(げんうんのむらさき)だからです。

こちら、前回ブログで紹介しました『赤錆びと渇きの。』と舞台を同じくしております。淀んだ街・ホーン、『赤錆びと渇きの。』時点で降っていた赤い雨が止み、そして…というお話。
といっても、繋がっているのは世界くらいなので、お話しはそれぞれ単体でお楽しみいただけます。
※ただ、『眩暈の紫』主人公のヴァイオレット、『赤錆びと渇きの。』主人公のマリアは両作品ともに登場しております。よかったら二冊手に取って探してみてね(ダイマ)

てなわけで早速ダイジェストしますー。


「あんたが死ねば、パンをひとりで食べられるのに」
 ヴェネットはヴァイオレットを呪っていた。だがヴァイオレットはそうではなかった。ヴェネットは罵詈を尽くそうとも、ヴァイオレットから離れなかったからだ。捨て置いたりしなかった。彼女は決してヴァイオレットをそばから離そうとしなかった。同い年の双子のはずなのに、まるでヴェネットは姉だった。ヴァイオレットに指図し、先に立ち、彼女を所有していたのはヴェネットだった。
 いつも餓えていた。いつも渇いていた。いつも疲れると思うことさえなく疲れ果てていた。
 好きでもないのに一緒にいた。

 ――ヴェネット、あたしの半身。あたしのねえさん。
《半身》より


「金よ」
「……見苦しい恰好で来ないで。鼻が曲がりそう」
「綺麗にしていたら歓迎会でもしてくれるわけ?」
「受け取ったわ。帰って」
「しばらく来られない」
「あんたみたいに子どもじゃないの。あたしはひとりで死ぬ方がいい」
「あたしは嫌だわ」
「だから、あたしはあんたとは違うと言っているでしょう」
「ヴェネット」
「帰って、ヴァイオレット」
「愛してるわ」
 そう告げて、ヴァイオレットは部屋を出た。薄い扉をやさしく閉じれば、ややしてなにかが壁にぶつかり砕ける音、それから貨幣が床に散らばる音があった。ヴェネットの低い罵りは呪いじみており、ヴァイオレットはそれに耳を傾けていた。
《ヴァイオレットという女》より


 マリアンネを上向かせ、オミはいたずらにちいさな彼女にくちづけた。
 ヴァイオレットはそれをぼうっと見つめている。視線を感じながら、くちづけを深くしていく。彼女の視線は感じるが、それは動物を眺めるような、ひどく他人事の、空しく軽いものだった。オミの期待する、情熱や憎悪といったものは、すこしも感じることは出来ない。与えてはくれない。
 背筋が震え、怒りを掻きたてられたのはオミのほうだった。マリアンネの頭を強く抑えれば、彼女があまくちいさな声を漏らす。吐息さえ奪い尽くすために、オミは決して彼女を離さなかった。そして目は、ヴァイオレットを捉える。
 笑っていた。愉快で愉快でたまらないとでもいう風に、ヴァイオレットは笑いをこらえていた。紫色の眸を三日月形にゆがめて、くちびるは波打っていた。
 マリアンネの口腔を蹂躙していた舌を引く。すると追いかけるように、幼い赤が追いかけてくるのがわかる。
「ぎっ……!」
 思い切り噛んだ。
 じわりと血の味が、オミとマリアンネのあいだで共有される。苦く生臭い血が、唾液と混じってぼとりと落ち、白いシーツを汚した。マリアンネがもがき、オミの胸を叩く。オミは彼女の手をゆるし、顎に力を込めた。冷汗と、痛みと、マリアンネの呻き声。
「赤錆びの雨、止むわ」
 シーツの赤い汚れを見て、ヴァイオレットは愛おしむようにそう言った。
 恐ろしいほどの失望に襲われて、オミはマリアンネを突き放し、部屋を出るしかなかった。
《死を視る紫》より


「ヴェネット、あたしたち双子よね」
「少なくとも生まれてから数年はそうだったでしょうね」
「いまもよ」
「そうかもね」
 ヴェネットは言葉通り、子どもを見るようなまなざしをヴァイオレットにくれていた。老成した彼女だが、母性などというものは欠片もない。老いた女の乾いた目だった。彼女の肩に手を伸ばすと、それとなく避けられてしまう。触れないで、触れないで、触れないで。
 憐れんでいるのか、憐れまれているのか。
 ヴェネットとヴァイオレットはもう、双子ではないのか。
「ねえさぁん……」
 顔をゆがめてみたところで、涙の一滴も落ちない。
 ヴァイオレットの声は媚びてあまえた声だった。不透明で、黒く絡みつく縄目文様よりあるいは、禍々しい類の。
「帰りなさい、ヴァイオレット」
 ヴェネットは、いちばんやさしい声でそう言った。
《ホーンの魔術師選定》より


「なつかしいね、ヴァイオレット。覚えているかな。なかなか薬をやめられないおまえに、僕はこれで教えたね」
「それであんたは鞭をやめられなくなったもの、覚えてるに決まってるわ」
 そうか、と言いながら、肩慣らしに振り下ろす。
 ひゅっと風を切り肉をとらえる音、ヴァイオレットが鎖骨のあたりを押さえて転げた。
 ウウ、と獣の唸りのようなものが、色を失っていたくちびるのすきまから漏れ出る。
 背筋を駆け上がってゆく冷たいものの正体を、オミは熟知していた。ヴァイオレットの指摘の通りだ。オミは彼女を打つことが、とても好きだ。それは快楽だった。悦と笑えば彼女も嗤う。
「ほら」
 そう言って誘う、ヴァイオレットは服を脱ぎ捨てた。露わになった白い裸身の、どこにでも傷をつけていい。どんな痕を刻んでもいい。オミは彼女に許されている。
「おまえは僕のものだ」
 続けざまに打てば、低い声で呻く。押し殺された苦痛のぶんだけ、つぎはどんな声をあげるだろうと、オミは期待せずにはおられないのだ。
どれだけ強く振るえば? どこを打てば? どうすれば彼女は悦ぶだろう?
 苦と楽の淡いを行き来しながら、肉を触れ合わないまま、オミとヴァイオレットは確かに交わっている。愛おしい子を打つことが、いったいどれほどつらいのか、ヴァイオレットにはわからないだろう。彼女はオミを愛していないのだから。だが、ふたりはいま同じところにある。同じ舞台のうえで、絡みあっていた。
《罰と不感症》より


と、いう感じでしょうか。
実はこれらのあいだとかもっとラスト間近とかに気に入っているシーンが集中しているんですけれど、生憎ネタバレというか大事なとこなので自重してみました。
いま抜粋したなかだと最後の鞭びしばしシーンが好きです。

そう。

『眩暈の紫』は双子が愛憎し、師弟が愛憎し、不死を目指したり生きてくことを考えたり鞭で叩いたりちっちゃいこをいじめたりするファンタジー小説です。
『赤錆びと渇きの。』とくらべるとどうしようもない成分は薄目ですが、かわりに激情屋さんが多いので若干の暴力描写があります。少しでも苦手なかたは自衛をよろしくお願いします。

また、『赤錆びと渇きの。』と同様、『眩暈の紫』でも悪女小説フェアに参加します。
誰が悪女なのか考えてみてくださいね~。
(わたしは赤錆びのオルガがいちばんどうかと思っているのですが…)

気になるところはあったでしょうか?

愛憎劇ではあるのですが、個人的には終わり方がとても爽やかな本なので、『赤錆びと渇きの。』よりも読みやすいと思います。なんだかんだとこの手のファンタジーを頒布するのははじめてなので、こういったら変ですが、入門編という感じでしょうか?





実はこの『眩暈の紫』ですが、小説投稿サイトカクヨムで全文公開しております。


これが製本版とまったく同じ内容ですので、特に本の形がいいというわけでないかたはこちらからでもぜひ読んでくださると嬉しいです。
(というか全文掲載しているので製本版はあんまり刷ってない)

当日企画についてもご紹介する予定ですが疲れてきたので③に持ち越すことにします……。


ヲンブルペコネ一同

2016年9月18日日曜日

テキレボ準備号・新刊ダイジェスト①

お久しぶりです。
多忙で、ブログの存在などすっ飛んでお空の彼方でした。
本日も文フリ大阪と本の杜があったそうですね、参加されたかたはおつかれさまです。生憎と修羅場の最中でどちらにもゆけなかったのですけど、どちらも参加してみたいイベントです……。

気持ちを切り替えまして、本日はすてきなテキレボ準備号です。一冊ずつ記事を分けるので、今回は①とナンバリングしてみました。

イベント前恒例・新刊ダイジェストをするので、ぜひ読んでね◎

まず!
10月8日、浅草は都産貿センター台東館で開催されるText-Revolutions4。
もうブースも発表されました、当サークル・ヲンブルペコネは【A-22】です!

そしてWEBカタログのヲンブルペコネの頁はこちら。
https://plag.me/p/textrevo04/1969
後述するお買い物代行サービスにおいてもカタログ大事!なのでぜひチェックしてみてください。


なにかを頑張ってしまったので新刊が2冊出ます。
かつてない優等生なのです。ポカは帯の発注数をまちがえるくらいで、財布と精神に大打撃を食らうようなショッキングなことは起きていません。万事順調ゴーゴーテーブルダンス。

前回のブログ記事で水煮さんにお話の分析をしていただいた作品が、今回の目玉です。




『赤錆びと渇きの。』
B6判80頁カバー付き、600円

赤錆びの雨が降り、街は陰鬱に彩られていた。
青年マリアは、薄暗い雨降りの昼に、《人形店》の主とその作品を殺害した。己のなかの殺人者の影に喘ぎ、苦しみ、悶える彼は、自らが手にかけたはずの少女人形オルガと再会する。殺したものと殺されたものはやがて奇妙な関係を築き、餓え渇く魂を埋めるため、ひたすらに腕を伸ばしはじめる――。
著・跳世ひつじ 装画・あるびの

◆本文抜粋

 バスタブに飛び込むと、蘇る心地がした。熱い湯に触れたせいで、いま再び涙が、止まらなくなる。これからしばらく、水というものを見るたび、或は熱というものに触れるたび、オルガは泣いてしまうかもしれないと思った。ひつようなものがあるとその幸運を思って、泣かずにはおられないだろう。
 ヴィヴィアンネのいた場所を、水や熱や、或は名も知らぬ誰かで埋める。
 これからのオルガの、いましばらくの行動指針ができた。生きるために。オルガはものを考え、みずからの命を延ばしてやらねばならない。生活せねばならない。生あるものとして在ることを、望んでくれたヴィヴィアンネのためにも。
(植物文様の絨毯を買おう。店の場所を、居心地の良い応接間のようにしよう。ショーウィンドウからのぞいたときに、まるで人形の家かと思うような、趣味の良い部屋をつくる。そうして僕は、誰かを待つ……)
 流れる涙のままに、肩に熱い湯をかけて、目を瞑った。
《人形の生活》より


 汲み置いた水で顔を洗って、鏡を覗き込んだ。目のしたにひどい隈があるほかは、いつも通りだ。ヴィヴィアンネの人形よりはうつくしくなく、そこらの人間よりはうつくしい顔。荒事屋の仕事には向かない美貌だった。
 目のしたをごしごしと擦ってみても、無論消えるはずもない。擦った目許はじんわりと赤くなり、淫乱な性を暴かれた気がして吐き気がした。もう一度寝てしまおうか。ロンはこの部屋の存在を知らない。誰も知らない。だからマリアは、ここにいる限りずっと、孤独を貪ることができる。安心できるのはここだけだ。ホーンで唯一の場所だ。そのはずだ。
 寝台に横たわったまま、行儀悪く堅パンを食べた。こぼれた屑を手で払い床に落とす。物陰に潜んでいた虫が、かさこそと動いて屑を運び消えた。閉じきりの部屋にいつの間にか這入りこみ巣食った虫だった。
《青年マリア》より


 胸に、オルガが額を擦りつけてくる。
「起きていたんだね」
 くすくす笑いが返されて、マリアもおかしくなった。
「俺はおまえを部屋に置いたら、仕事へ行く。帰らないで。俺が戻ったら、おまえは俺の名まえを呼んで」
「ねえ、僕のことがすき?」
「今晩は魔術師協会側の人間を殺すんだ。嫌な仕事ばかりだよ」
「ねえ」
「うるさいな」
「痛い」
「すきなんだろ、痛いのが」
「すきだよ……」
 オルガの顏は見えない。底知れない笑みがあるだろう、それだけはわかる。あまく高い声の幼さよりももっと不気味な、玉虫色の眸の底で、うつろを渦巻かせている。マリアはくちびるを舐めた。雨の冷たさが躰の外を這うほどに、オルガの薄い肉を通じて感じる熱が、心臓に生を感じさせた。
《餓え彷徨うものたち》より


また今回は、作品紹介アシスタント様に特設ページとイメージをつくってもらいました。こちらではこのブログとはまた違う箇所からの抜粋が読めます~。

作品紹介アシスタント『赤錆びと渇きの。』特設ページ





こちらが『赤錆びと渇きの。』現物になりますー!
装画はあるびのさま。本編の場面や雰囲気をありありと表現してくださいました……!もうほんと、うつろな眸のマリアと、その手を齧るオルガ、うつくしすぎますね……。ずっと見ていられる表紙画ですよーっ。手フェチとしてはマリアとオルガの手の重なるところ、サイズや表情の違いがたまらないです。あまりにもかわゆい。そしてうつくしい。

うしろにはトレぺで縦帯です。個人的にあらすじ印字があまり好きではないので、帯でかけてみました。「貴方は僕を欲望する」がキーワードです。はたして。

今回、かなり好き放題、性癖大暴露でいろいろすきなシーンを書きました。
抜粋箇所も気に入ってるところを選んだんですけど、ほかにもたくさんいいシーンがあるのでぜひ読んでいただけたらなあっと思います。表紙やあらすじの雰囲気からお察しいただけるとは思いますが、ハッピー・コメディ・いちゃらぶなどからはかけ離れており、若干の暴力描写も存在しますので、苦手なかたはご注意ください。

本作はテキレボ4内企画・悪女小説フェアにも参加しております。
此方のフェアはMAP配布のほか、【E-24・25】で参加サークルの見本誌展示もやるそうですので、テキレボ内中央の公式の見本誌棚のほか、こちらでも立ち読みしていただけます。悪女の登場する小説を集めた、非常に心そそられるフェアですので、必見かと!
わたしは絶対ここの見本誌棚みにいきますよ。悪女大好きなので……。


そして、当日テキレボに来られない!という方へ!
必見お買い物代行サービス→ http://text-revolutions.com/event/archives/4441
手数料500円、テキレボのスタッフさまが、貴方のかわりにおお買い物をしてくれるというテキレボの目玉サービスです。
※取り置きや予約とは違うので、売り切れてしまった場合などはご用意できませんでしたということになります。尚、その際も手数料はかかりますので、ご注意ください。

こちら申込が25日までかな?
リンク先を参照してくだされば幸いです。ヲンブルペコネも新刊は十分な量を持ち込みますし、11月の文フリ東京、そして通販も予定しているので、入手はできると思います。
ですが、テキレボではほかにも素敵な作品を展示・頒布するサークルさまがたくさんありますので、「お買い物代行サービス」を利用してがっつりごりごりお買い物をするのも吉です。
なんといっても当日企画の300字ポストカードや無料配布も、カタログに登録されているものであればなんでも注文できるところがミソですよ~。
『赤錆びと渇きの。』も最速はテキレボ当日&お買い物代行サービスです◎


というわけで、告知すべきことはゆった!
『赤錆びと渇きの。』のお話をもうすこししまーす。

今回の著者は跳世ひつじ。
がっつり(?)ファンタジーです。イベントで純文学ブースをとり、落山羊という名まえで活動する以前、わたしはまったく別の名義でファンタジーばっかり書いていました。もはや砂漠の砂のほんの一粒のようなものなので深くは触れませんが、とにかく量!そして萌え!みたいな、好き勝手にやるのがめちゃくちゃにたのしかったです。で、前回はそんな砂をサルベージしようと思って躊躇い、『鰐と運命的滅亡のメルルカ・アンポルカ』にいつのまにかすり替わっていたのですが、今回のテキレボでようやくお披露目できます。それが嬉しくて、もう一冊新刊ができたりしたのですね。
なんとなく不安などあって、今回二人の方に下読みをしていただきました。改めて感謝申し上げます。装画のあるびのさまはじめ、下読みをしてくださった方、妹氏、などなどいろいろなかたに一緒に作品をつくりあげてもらったなーとおもいます。いまはひたすら頒布が楽しみです。増刷したいーっ。
赤錆びはたいそうなことが起こるわけでもなく、旅もせず、さりとて日常もののような安心感もないという鬱陶しい作品なのですが、とても気に入っているので、たくさんのひとに読んでもらいたいです。うつくしいおとことおんなと、汚い街と欲の影。うつくしいのに強くない、殺しをするのに殺されたような顔をして歩く。矛盾と自己愛をはちきれそうに抱えたマリアとオルガになりました。まだ頒布してもいないことを忘れそうです。なんだかんだ、初稿をあげたのはかなり前だったので。ぜひぜひ、併せてこの記事の前のブログを読んでみてください。創作と星占いを紐づける、水煮さんとのおもしろいお話ですので。その際に分析してもらった作品が、この『赤錆びと渇きの。』です。

つぎのブログでは②として、もう一冊の新刊『眩暈の紫』についてお話ししようと思いまーす。
お買い物代行サービスなどは申し込み締め切りもありますので、お考えのかたはお急ぎくださいませ~。ヲンブルペコネがそのなかにすべりこめたらうれしいでーす。


それでは今日はこれまでで。

ヲンブルペコネ一同

2016年7月4日月曜日

太陽王と夜の女王のたたかい(水煮さんに創作を鑑定してもらったよ)

こんばんは~。
ブログタイトルからじゃなにがなんだかという感じかもしれないですね。

実は先ほど、話題の水煮さんの鑑定を受けておりました~。Twitterのタイムラインの方々がみなさんとてもおもしろい鑑定の感想を流していて、わたしもわたしも!と思い!

実は前回のテキレボで水煮さんにみていただいたので、それがとてもおもしろくて、っていうのももちろんあります。水煮さんは創作と占星術を結びつけて、ブログのほうでも興味深い記事がたくさんあるのです。(あと、わたしは水煮さんの独特のたとえや言葉選びがすごく好きです)

ホシカン 創作活動のための星占いブログ

今回は、参考作品に今年秋のテキレボで出す新刊を読んでいただき、跳世の活動と作品についてのお話をしていただきました。写真はメモの一部です。



「ホロスコープまんまですね!」

ということで、強烈な単語で埋め尽くされたメモ!
テキレボ新刊は性癖全開のファンタジー作品なのですが、つまり、そういうことです!

わたくしは月が蠍座、太陽が獅子座。水煮さんの本日の言い回し「太陽王と夜の女王のたたかい」をブログ記事のタイトルにちょうだいしました。

新刊についてまだなんの情報も出していないので、具体的なことをほいほい書くわけにはいかないのですが、「重さ、くどさ、ねっとり」の三つは十分だそうです。やったね! とにかく劇的で舞台のよう、派手で生活感がない。(今回の鑑定でいちばん聞いたことばは「地に足がついていない」だったかも笑)

まさしくだなあとひたすら頷いて聞いていました。

世界じたいが閉鎖的で内に向かうようなものを設定しているので、それがまずわたくしの表現そのものだと。キャラクタたちも自己存在がまずあり、そこから相手との関係になるか、相手との生活のなかで自分がいかに変容するか、と。関係性と自己と破滅と再生と、思い描いていたものと合致してふむふむです。

書いていて自分で「これが読みたかったー」「これやってみたかったー」「ぼこぼこにしよう」「醜態醜態」等々、欲求に忠実になった結果、まんまですね、が出るとなると嬉しかった(?)です。自分が読みたいかそうでないかは「書きたいか」とはまた違うものではあるので、読みたいと書きたいの重なる部分をがさごそと掻き集めて版築よろしくぎゅっぎゅっと(なんなら人柱でも立てながら)書いたので、うふふという感じです。

でも愛のはなしですからね! おーるあばうとまいらぶ!

なにをやっても劇場になってしまって、浮世じゃない、地に足ついていないというのは良くも悪くもですが、ファンタジーではそこが向いているということで、これからも邁進していこうと思えました。跳世はがんがん性癖を露出していこうと思います。やりたいことを実現して満足感を得るためにはやっぱり徹底的にやるほうがいいですものね。

ジャンルには悩むんですけどね。日常ものというには生活感がなさすぎるけれど、非日常ではない。日常というカテゴリーを広義に解釈して有り得る誰かの日常とすればやはりこれは日常なのだとも思えるので、(いやカテゴライズて煽り文とかつくるときに必要で……)日常ものと主張していこうかなあ。

インモラルだとか、性だとか、生と死、エロスとタナトス、メメント・モリ、タブー等々愉快な単語がいっぱい出て、ほんとうにおもしろかった。劇的なのだからもうこういうことをいつまででもやっていこうと思えましたね……。振り切ってゴーゴーで、すごくやる気がでた。生きたいです。

あと女性性に関してうかがったときの「ボリシェヴィキのプロパガンダ」がめちゃくちゃツボでした。これものすごくおもしろくてめちゃくちゃわかるになったので、推していきたい……。オーバーヒート気味の欲望で男を殴る女の子……いい……。

「これからも女が男を殴ります」と言って終わった鑑定でした。
自分の作品についてこうやってじっくりお話を聞く機会って得難いものですよね。それがこうしてかなって、始終「ふふふふふ」みたいに笑ってしまって申し訳なかったです。嬉しくて楽しかったんですよーっ。特に趣味丸出しの書き物だと客観的になることがとても難しいので、そう言った意味でもとても貴重でした。

水煮さんはお話がとてもおもしろいので、興味を持った方はぜひ~。得難い体験!
あっちなみにわたしは今回Skypeで鑑定していただきましたよ(`・ω・´)



跳世ひつじ





以下余談
秋のテキレボ新刊はあらかた書きおわっているので今回こうして参考に読んでいたのでした。なんなら同じ世界観の次の作品ももう書き始めているのでハイペースで行ける気がしてます。テキレボアンソロには本編の番外編を寄せる予定ですので、チェックして性癖合致したら本編へ、という流れができたらうれしいなと思います。

水煮さんとのやりとりで本日いちばんヒヤッとしたのは「冷酷」のはなしでした。切り捨てるとか結構自覚あるなと思い。ひえ~。みられた~。あと劇的で派手で大袈裟なのは母に言わせれば「わたしはずっとそう指摘している」だそうです。知ってます。

なんならR18作品を書くかもな~と思って、いや秋新刊も性行為こそないけど……という感じなのでやはりレーティングはR15ですね。気合入れてぬるっと書いたので注目です。注目ですというか、すきなひと読んでね!

2016年6月7日火曜日

無鉄砲とリーディング


今日?昨日?
夜、渋谷にのこのこと行ってきました。ポエトリーリーディングオープンマイクSPIRITに、観察に(?)
会場に着いたらすでに遠藤さんがいて、わたしは今回「ひとりでいくもん」みたいな気持ちでいたものの、めっちゃ安心しました。そのあと崩れる本棚のウサギさんとも合流して、なごんだ……。
大島健夫さんのリーディングが結局最後まで頭に残っていました。

こういったものを聞くのはほとんどはじめてだったのですが、オープンマイク自分を除いて13名と主催のかたがた、スペシャルゲストのラッパーのレイトさんと、とにかく多様だったので、無闇にびびることはないなと思えたので行ってよかったです。

読んできました。

ちょっと前に文フリだったかな、で配った「お〽とスクラップ・テンプル」という無料配布に収録した「よるによりそうよろこびにむねたかなるときの〽」という散文詩のようなものを読んできました。
5分間でおさまらなくてところどころ端折って、暗くなる絶妙なタイミングで「わたし夜が慕わしいの」って言ったのちょっと決まったなとか思ってすみませんでした。

ひとさまのまえでなにかを披露するのはとても久しぶりで、膝が笑いました。手がぷるぷるしないようにテキストを両手でぎゅって持ちました。
特に根拠もなく「できるきがする」と思っていたので、第一声から「あーっ声たかいーっ」ってなってもう諸々がどしゃーっとなってひと言でまとめると難しかったです。とにかくこれはテキストを手放すところからはじめて飲みこまないとコントロールするのたいへんだなと……。

よく考えたら持って読むのは持たないで読むより難しいじゃないかって……(そうだよね)。

自分の5分を終えたらぐったりしました。嫌な汗かいた。
でもちょっと楽しかったです。上手になりたいなって思えたので。

なんか、聞いているかたの顏が見えないくらいの照明が欲しいなってぼんやりしました。読むのへたくそなのに声は腹からぶわーて出ちゃって、ちょっと大丈夫か?って。いろいろ思い出したりもしました。でも、わたしはとてもじゃないけれど自分を直接提出することはできないなとも改めて感じた……。

リーディングはその点こころよい距離感ですね。
おもしろコンテンツになれないくせして、こわがりのくせして結構、目立ちたがりで、自分が困ることもしばしばで。近ごろほんとうに痛感するのですが、わたしは誰かの手を引いて、自分は目を瞑って、崖を駆け下りたりしがちですね。しっかりとしようと思います。
とても行動力があるタイプではなく、ただ無責任にポーンと身投げしてその連続がわたしの生活の一部なのは、やっぱりちょっと不健康なのかなと思う時もあって。それがいい結果をもたらすときももちろんあるけれど、よくよくひとさまを巻きこんだりもするので、(これ以上誤った方角へ慎重になる必要はないにせよ)、「分別!」ってちくちく自分に言い聞かせたいです。
そのうちどこかにいって帰って来なさそうとか、引きこもりのわたしがなぜかよくちょうだいする言葉なのですが、わたしはきっとぜんぜん知らない街の知らない店のショーウィンドウにぶつかって死ぬ鳩のようなものなのでしょう。



最近ばたばたしてちょっと疲れてて、情緒がシーンとしたままぷらぷら生活しているので、まだ起きないにせよ、いい刺激でした。
テキレボもばっちり申し込んであります。まだお金払ってないから、忘れないようにしないと。アンソロも参加しますし新刊も出るので、どうぞよろしくお願いします。眠い……。

落山羊
 

2016年5月5日木曜日

久しぶりにスープを作った話


先程家に帰ってきて、「あー」って思いながら床にぺったり座って、もっかい「あー」って言って飲むヨーグルトひと息に飲んだ。そのあとGET27を飲むヨーグルトで割ってこれもひと息に飲んで、「あー」って言った。
母方の実家がばたばたしているおかげで、近ごろ静岡と埼玉を行ったり来たりしているのだけれど、まあ自分にできるのはせいぜいがお手伝いとかお使いとかそういう次元のお話だけで、移動以外さしたることもしていない。そういう認識でいて、「まあわたしはたいへんじゃない」って思っていたら、ストレスみたいなものがぐわっと襲ってきて、肩とか頸とかがすごく凝ってる。
実家暮らしのお決まりの怠惰が突然殴りかかってきたせいで、もろもろに変調をきたす。
殴り返すには「家事スキル」とか、「なんか図太い精神」とかが必要だけれど、いま手にあるカードは中途半端なみどりいろのGET27だけで、これ大事だからがしゃーんしてこの中途半端な量を失うわけにいかないんですよね。
冷たいお弁当って、カップラーメンの百倍「たべもの」の顔をしてない。
半分も食べれなくって自信喪失した。
百年ぶりにキッチンに立って、玉ねぎ切ったりして、スープつくって飲んだらおいしかった。
料理って特殊技能なのに、なんか独学推奨っぽくて、できないとなんか微妙なリアクションをされるジャンルで、もちろんわたしは料理がいまいちできないわけだけど、「嫌い」って思ってしまう。それにしたって、冷たいお弁当のあのたべものっぽくなさ、「食べろ」という強制力のマイナスっぷりは、むしろ遠まわしに死ねと言っているんじゃないだろうかと思わせるものがあるような気がした。
ぬくぬくしているから、母親の手料理をありがたくもあたりまえに毎日食しているから、こそ思うけれど、手料理の「食べなさい」という力の強さは、ほかの食品の追随を許さないものがある。それが苦しいときがないわけではないけれど、その強迫によって生かされていると、突然放り出された時の所在なさ、心細さがもうびっくりするくらいで、これについてもなんだか「あー」ってなってしまう。
料理するひとはすごい。
残したら悪いなとか、そういうあらゆる愛情と遠慮と諦めをもろもろと含めて、(おいしいももちろんあるけれど)、手料理ってやっぱりただの具材とは思えない。わたしはひとりでいるとインスタント食品でずるずるずるずる生活しちゃうし、アイスクリームを一日に二個以上食べもしちゃうけど。今日も、コットンキャンディ味のアイスクリームを買ったよ。
自分で作ったスープもやっぱりそれなりに「食べなさい」という顔をしていたので、食べました。(と書かせるものがあるということ)。
それでも冷たいお弁当と相対した時ちょっと泣きそうになったから、(なんかもうやめてよって思った)、よかったな。自分に「こうしなさい」を課して生活を無理くり進めないといけないときもあって、連休が休みじゃないときとかはそうだし、いまの我が家の緊急事態宣言下でもそうで、このまえ洗濯機を回すのに失敗したわたしは、そういう強迫で営んでいる。
あんまりセンチメンタルなつもりはなくて、むしろドライな感情で、「ユウツだー」っていう自分の思考のどん詰まりがこういうブログを書かせている。そういったって、いつだってわりとムラっけがあるわけだし、ユウツが一体なにになるだろう。落ち込むときわたしは「わたし落ち込んでる」って思うし、いまも「わたしユウツだ」って思ってる。そういう姿勢でいるときの微妙な滑稽さを理解できて笑えるので、元気です。
旅行したいなー。最近ちっとも、出かけていないので。

落山羊

2016年5月2日月曜日

第二十二回文学フリマ東京参加報告

こんにちは、ヲンブルペコネです。
昨日は第二十二回文学フリマでたのしい時間を過ごしてきました。まず、ブースを訪ねてきてくださったすべてのひとにありがとうございます。そしてテキレボでの少女小説ラリー棚に忘れてきてしまった見本誌を届けてくださった副主催様、ほんとうに申し訳ありませんでした。ありがとうございました。以後気をつけます。

さて、拙【ヲンブルペコネ】も文学フリマははや四回目の参加となりました。頒布数、前回が何冊だったかちょっとうっかり忘れてしまったのですが、毎回参加するごとに頒布数が増えている気がしまして、うれしいかぎりです。完売こそ出なかったものの、既刊はのこり一冊とか、二冊とか、数えるのに両手がいらない数になりました。各種作品の再版等は悩みどころですが、とりあえず『ラプラスの新悲劇』は増刷しようかなと考えております。
今回は前日に飲み会があり、帰宅し、無料配布を印刷しはじめるという毎度毎度のまぬけな進行でした。当日朝目覚めて胃が猛烈に痛くて苦しんだんですが、開催中は胃痛も止み、帰宅後ぶり返しました。つまり元気に文フリを過ごしたということですね。都合のいいからだでよかったです。いま胃が痛いです。

とくに完全新刊を持って行ったわけではなく、三月のテキストレボリューションズで新刊として発行した『鰐と運命的滅亡のメルルカ・アンポルカ』と合同誌『落ちる羊、遠くのヒツジ』を文フリ初頒布の新刊扱いで持ち込みました。テキレボで買ってくださったかたをいつもの文フリから引きますと、やはり今回の頒布は順調だったということになります。うれしいですね。
わたくしも参加させていただいた『散歩と遺体アンソロジー』書籍版も好調だったようで、それもうれしかったです。俗物なのでね……。
新刊もなかったし、個人的にはとってもまったり過ごした文フリでした。
第一展示場ということでワンフロア開催だったわけですが、いつもと違うなと感じたのは後半のスローペースさでしょうか。膚の感覚ではなんとなく後半のほうが賑わうかなと思ったのですが、第二展示場の場合一階にあたるジャンルのほうがひとが少なかったように感じました。というか全体的に前半のほうが盛り上がっていたのかも。
壁のスペースはうしろを気にしなくてよかったので、それもまったりの一因ですね。ターリー屋さんのナンバーガーを食べ、クルミドコーヒーさんの水出しコーヒーを飲み、ウトウトし、頂戴した差し入れを食べたり買った本を読んだり。春だなあって感じの。時間が長く感じたのもそのせいでしょうね。

ブースのレイアウトとしましては、ほんとのほんとにぬかったのが「ブース名とブース番号」をブースに掲示しなかったことです。これ重要だなあしまったなあと帰宅後悶々としてしまいました。ちゃんと【ヲンブルペコネ】ってかかないと、一般来場のかたにも絶対わかりにくいよなあと。そういうところを気をつけないと、だめですね……。レイアウトもいつも通り、なんのひねりもないかんじで。縦に伸ばしたいとかずっと言いながら、やらないやつ!! 
ヲンブルペコネはほんとレイアウトに甘えが多くて、周りをみてああ~ってよくなってます。ポップももう少しがんばらなきゃなあとか。値札しかつけてないの、やっぱり殺風景ですよね。というか「何描いてるんですか」と聞かれて「えっと……」ってなるくらいならほんとポップくらいちゃんと用意しとけよと自分に言いたい。工夫が必要です。
いい作品をつくり続けるとか、宣伝をきちんとするとか、レイアウトを親切にするとか、そういう要素すべてをたいせつにしていかないと、マンネリ化から抜け出せない。はじめていらしたかたの目を惹けない。知り合いに配って終わりならわざわざ文フリに出なくてもいいじゃんと思うので、なおさら自分をしっかり持たねばと四回目のヲンブルペコネの甘えた態度にぴしゃり一発くれてやるということで……。
悩むのは、テキレボに出ると机の大きさがずいぶん違うことでしょうか……。

そういえば無料配布『シベリヤ迷宮殺人譜』は配りきりました。水色の紙にするだけでなんかちょっと楽しくなったので、これからは積極的に無料配布に色紙を使っていきたいです。

お買い物としましては、今回は何だか「読みたい!」という本を厳選して買えた気がします。ハム壁さんとか、呼吸書房さんとか、じごめそとか、きになるところにちゃんと行けたかなと。どの本も読むのが楽しみです。打ち上げで三回くらいマゾヒスティックリリィワークスさんがすきって言ってました。新刊の『Rafflesia Arnoldii』と赤木杏さん『プリンセスシンドロームへようこそ!』は会場で呼んでしまいました。おかげで時間中けっこうずっと手についてかんがえてしまいました。どれもよかった。明晰な文章、漫画、ことばにならない域を拾い上げる鋭さに憧れてしまいます。マゾリリさん、羊網膜傾式会社さん、酔っ払いバタフライさんが並んでいて壮観でしたね。

まだテキレボ戦利品もたくさんあるので、のんびりマイペースで読書していければいいな。


こんなものでしょうか。なんかほんとうにわたくしのこころもちがのんびりしていたせいで、特にこれといって報告するようなことはありませんね。あっでもTwitterで「文フリの前にネップリ出します」とか嘘こいたことをお詫び申し上げます。懲りないのでまたネップリ出そうと思います。その際はよろしくお願いします。
今後の予定ですが、とりあえずは十月のテキレボ、十一月の文フリという平常運転でいくと思います。しかしですね、テキレボでも文フリでも新刊を出す予定です!乞うご期待! さらに言うとテキレボ初稿は上がっておりまして、これから諸々動き出します。テキレボではファンタジー、文フリでは純文学ブース、でどちらも恋愛小説の予定です。大丈夫かな?不安ですね。
その前に、寄稿の『季刊ヘキ』夏号が発行されることかと思います。絶賛原稿中です。こちらとても素敵な雑誌ですので、どうぞチェックをお願いいたします。Twitterのほうでは随時リツイートで間接的にお知らせできたらなと思います。
また、なにか原稿のお誘い等々ございましたらお気軽にお声がけください~。進捗がわりといいので、夏とか余裕が生まれる予感がします。

それでは、第二十二回文学フリマ、あらためましてお疲れさまでございました。
運営スタッフのかた、あの空間すべてのかた、そして打ち上げの崩れる本棚周辺のひとびと、たいへんたのしい時間をありがとうございました。不肖の羊ではございますが、またどうぞよろしくお願いいたします。




落山羊・跳世ひつじ

2016年3月29日火曜日

第三回Text-Revolutions参加レポート

テキストレボリューションズ3レポートです。ややダウナーでお送りしております。


さて、先3月21日に、浅草でテキレボ3に直参しておりました。
いろいろとやりたいなーと思ってファンタジージャンルにて参加、新刊もいつもと違うことをやりました。

ちゃんと起きたし、コンビニコピーもできたし、忘れ物もしなかった。わたくしにしてはパーフェクトです。

会場ついてから、やっぱり事前にブース設営についてきちんと考えなきゃなーと思ったりはしました。というのも、テキレボさんは机が広いのと、今回なんだか新刊二冊既刊三冊無配四種類とペーパーとラリー台紙とか、ヲンブルペコネ的には最多の種類数だったので。上に伸ばすものがなにもなかったので、遠藤さんが合同誌くれたときのちっちゃい箱に布かけて既刊置きました。おもいつきにもほどがある。
レイアウトグッズ、もう少し真剣に考えて買おうと思います。極力印刷費とか交通費以外の経費を投入したくなかったんですよね、いろいろ考えつつ。しかしまあ、既刊も順次絶版にすると思えばその限りでもないのかもしれません。頒布物はせいぜい五種類くらいがいいなと思いました。手に取りにくいですしね。
あと今回の失敗はポップなかったことでした。値札しかついてない。へへ……。

そんなわけで、開場してからもぼんやりしてました。なんか参加者さんがブースに来てくれても反応遅くてすみませんでした。なんかセンサーがオフになっていて気がつきませんでした。机上小説家のテイクフリー用をもそもそ書いていたというのもあるのですが。
新刊『鰐と運命的滅亡のメルルカ・アンポルカ』は、予想ととんとんくらいの出方、合同誌もさして変わりませんでした。わりあい既刊を手に取っていただいて嬉しかったです。少女小説ラリーに参加させていただいたものの、やや異色というのは理解しておりましたので、これはちゃんと秋にラブファンタジーだしたいです。
前回よりはよく出たのですが、これはひとえにジャンルの問題だと思います。
前回は「純文学」で参加、今回は「ファンタジー」で参加。
会場の照明の問題もあると思うのですが、メインストリームのファンタジージャンルはやはり人通りが多いし、買い物しやすいと感じました。それに対して、「純文学」や「現代」のジャンルがあるC列かな?
あちらと、どの列も奥の方は、あきらかに場所が悪いと感じますよ。暗く、壁が近く、通りづらいです。参加が増えたから仕方ないのでしょうが、壁側にブースがないと一気に微妙になります。テキレボはただでさえエンタメが強い印象があるのですが、純文学や現代のほうのひとは継続して出展したいと思うのか?と。自分だったらちょっと考えますね。会場問題に口を出しても申し訳ないばかりなのですが……。
なんというか、あまり大きな声でしたくないはなしではありますがあんまり頒布数が少ないイベントに出続けるのは経済的に難しくなります(少なくともわたくしは)。本人の努力次第とは申しますが、そこらへんはやっぱりいろいろな条件や問題があると思いました。内需ばかりが膨らむことに微妙な顔をしてしまうのは、新たなかたに作品を知ってもらいたい、あるいはイベント自体を「一般参加者さん」も含めて盛り上げていきたいという気持ちがあるからです。

三回目ということで。

パンフレットのインタビューでも「内輪」という言葉を使われておりましたが、これはやっぱり「内輪」で「内輪」と言っているのはなんか変な顔で「う、うん」と言いたくなるようなところもあります。楽しいのですけれど、あの、オタクのグループにいるオタクか、そうでないオタクか、というか。なんというか。ノリきれないところもあるし、懇親会で「どうして離れたところにいるの~」と声をかけられたのも、あっあっという感じはありました。盛り上げないと「いけない」イベントになってほしくはないです(小声)
わたしはテキレボのような雰囲気を遠巻きに眺めてにこにこしているのが好きです。
……参加者がイベントを選べるのだから別にいいでしょ嫌なら出なければ、と言われればそれまでですが。


お買い物に関しては、なんかもう箍が外れたように買いまくりました。BL棚で気になっていたかたの本たくさん買えて大満足です。待ち遠しかった新刊やら、いろいろと、ほんとうもういろいろと買いました。
買い物のなかではじめて委託作品の購入もしました。紙に書いて申し込むのはわかった、でもやっぱり本部の表示わかりにくいです、もう少しポップで目立つようにしたらいいんじゃないかなー。なんか常にばたばたしていて、どこに出せばいいのか、えっえっという感じでした。そういえば今回も、れぼんちゃんの袋とか売ってたのかな。ぱっと見てわからなかったかなあ。
なんかれぼんちゃんのグッズ出る動きあるのかな、あったら欲しい。ぜったい買う。れぼんちゃんほんとかわいいし猫をマスコットにしたところがテキレボのいちばん好きなところです。

もうすでにツイッターでは、4の企画に関するお話がたくさんですね。
演劇やるのなら、会場のBGMのレベルチェックなどなど、もう少ししっかりするかな。今回やや大きかったと思います。ステージ、立ちたいんですけど、悩ましいですね。4自体には参加する予定ではありますが、いろいろとやり方を考えなければなりません。
性根が悪いので、あんまりきゃっきゃしていると、問題が置き去りにされているような気がして唸りだしてしまいます。
今回の一般参加者数を知らないのですが、前回に比べてどうだったのでしょうか。

なんだか低テンション遅レポートになってしまったのですが当日はとっても楽しかったです!
机上小説家も依頼していただいて、ほかの企画参加者さんの書き方とかも聞いたりしてなるほどなるほどとうなったり。ちなみにわたしはサインペンで一発書きです。多分10分か15分で完成していたと思います。テイクフリーポケットも持って行っていただいたようですし、よかったよかった。主催の遠藤さんに感謝です。

つぎの参加イベントは5月1日の文学フリマ東京!
ブースもう発表されておりまして、【ヲンブルペコネ】は【アー26】です! おぼえてください!
ワンフロア開催ということで、人の流れもかなり変わるのかなといまからわくわくしています。入り口の並びの壁なので、ひと来てくれるのかなという不安もありますが、のんびりやりたいと思います。
たぶん新刊はなしで、テキレボで出したものを文フリ初売りとして新刊扱いで持って行きます。買い逃したかた、ぜひいらしてください~。
合同誌『落ちる羊、遠くのヒツジ』は「羊網膜傾式会社」さんのBOOTHで通販もしているので、遠方のかたはそちらも利用できます。よろしければ!

そんなわけで、遅ればせながらのテキレボレポートでした。
秋のテキレボ4にも参上する予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします。ばんがります。



ヲンブルペコネ

2016年3月10日木曜日

テキレボ3が来る!新刊ダイジェスト!


テキレボまであと少しですね!!

 今回はイベント前恒例の新刊ダイジェストをお送りします。
 まず基本情報のおさらいを……
 テキストレボリューションズ3は3月21日(月祝)、会場は浅草の都立産業貿易センター台東館にて開催ですよ!
 そいでもって我がサークル【ヲンブルペコネ】のブースは【B-09】です。

 

 では今回テキレボ3で頒布する新刊情報とダイジェストなんかを以下にて。

 

 

★『鰐と運命的滅亡のメルルカ・アンポルカ』著・跳世ひつじ

 文庫判84頁、300円

 

 

 ところで、ニャンプーは夜色の肌をしていました。ニャンプーは夜と闇からうまれた幽霊だからです。髪と、まんまるい目は、いちばん大きな月の色でした。ニャンプーはまさしく、夜の子どもでした。ニャンプーは踊りながら歩き、今晩は荒れ地にじっと蹲りけして動くことのない毛皮鰐を、黄金の輪で三匹、ころしました。

 
凸凸凸 ぽつぽつぽつねん 佇む鰐は
 世にも醜い角なし三角、わたしかわいい幽霊子ども
汗も涙もまっくろ油の毛皮鰐は どうしてそんなに陰気なの?
 でももうなにも残らない 九九九年のやくそく 運命的滅亡
凸凸凸 おまえもおまえも 向こうのおまえも
 メルルカ・アンポルカの鰐 一匹残らず
燃え上がってはうたって踊れ、運命的滅亡は荒れ地のやさしさ
 わたしニャンプー幽霊子ども 世にもかわいい毛皮鰐ころし

 
 ニャンプーは好きなときに眠り、起きます。その晩は、月がまんまるくて、ニャンプーの眸のようにとろとろとしておいしそうだったので、ニャンプーは飛び跳ね踊りよろこびながら荒れ地をゆきました。夜はニャンプーの時間でした。ニャンプーは夜にひろがって、どこまでもどこまでもゆくことができるのです。ニャンプーの光る月色の髪と目だけがメルルカ・アンポルカに浮遊して、それ以外のからだのすべてはもやのようにうすく引きのばされて、遠くなることができます。
 そうして見つけた毛皮鰐は、ニャンプーが今まで見てきたどんな毛皮鰐よりも大きく……ふつうの毛皮鰐の、ゆうに三倍はありました……、そして驚くべきことに、もはや半分以上死んでいるのでした。ただ動かないだけではありません、大きな毛皮鰐はからだの端から砂となって崩れ落ちようとしています。ニャンプーを見ると、彼の鰐はうすらと目を開けて、また閉じました。ニャンプーはふしぎに思いながらも、いつものようにくるくると弄んでいた黄金の輪を通して、
「ぷう!」
 と息を吹きかけました。毛皮鰐は夜には見えない夜色の炎に巻かれて、またたくまに消え失せました。毛皮鰐が毛皮鰐としての存在を失い、毛皮鰐の運命的滅亡がまた、メルルカ・アンポルカに近づきます。夜の子どものいたずらな吐息で消えてしまう毛皮鰐は、しかしいつもと様子が違います。
 大きな大きな毛皮鰐を、ニャンプーは確かに運命的滅亡にみちびきました。あとはニャンプーと、夜の荒れ地が残るばかりだと思われました。ですがニャンプーの目の前には、どうしたことか、ひとりのうつくしい男がいるのでした。男は、あの大きな毛皮鰐の胸のなかで、ずっと、ずっとの長い時間、眠っていたのでしょう。薄い目蓋がするすると開くと、ニャンプーはたちまち魅了されてしまいました。
 メルルカ・アンポルカのどんな宝石……それはうしなわれて久しいものです……でもかなわない、白昼に虹を透かして反射くときのあの色、まだうまれたばかりの幽霊にもなつかしさを呼ぶ、摩訶不思議なまなざしでした。
「お、は、よ、う」


 
 こんな風の文章ですすんでゆきます。これは《毛皮鰐ころしの歌》といううたです。このようなうたがたくさん出てきます。そして、この「お、は、よ、う」の詩人と幽霊のニャンプーが、てくてくとメルルカ・アンポルカ大陸を歩くリリカル・ファンタジィであります。

 童話のようではありますが、漢字をひらくかひらかないかは単に好みの問題で決定したとか、いろいろあって童話というとちょっと首を傾げるのですが、うたがでてくるところは対外楽しいので、お子さんと読んでいただけることがもしもあったら嬉しいなあと思ったりします。本作品は「少女小説ラリー」さん、「滅亡探訪」さんに参加しております。滅亡するもの、の欄に「毛皮鰐」と掲載していただきました。毛皮鰐、滅びますよ~滅ぼしますよ~。だいぶ毛色の違う作品ではありますが、たくさんうたを書けたのがとっても楽しかったです。へんてこファンタジィがお好きなかた、いかがでしょうか。

 個人的なお気に入りのうたは《シャルルカ・シャムロッカころしの歌》です。

 

 

★『落ちる羊、遠くのヒツジ』落山羊、遠藤ヒツジ同名合同誌

 文庫判74頁、300円、「羊」をテーマにした合同誌です。落山の作品は「アモンの不思議な一週間」。

 

 

 メトロは冷蔵庫みたい。
 えんえん揺られて、終点から折り返した。出発点に戻ってきて、ようやく僕は冷蔵庫から出た。のろのろとした足運びになってしまうのは、冷蔵庫の外がどんな天気だとしても、かならず冷蔵庫のなかよりも暑いからだ。
 たくさんのひとが、僕にぶつかってゆく。僕は背が低いことを呪った。名残惜しく振り返ってももうそこには、メトロはいない。地下トンネルから抜け出すには、階段を上らねばならない。不愛想な階段はとかく体温とは無縁だ。ひとのかたまりに流されるまま、名まえも知らないたくさんのひと、ざわざわとしたひとたちに運ばれるようにして、まるで団体旅行のようにして、僕とざわめきとは階段を目指した。
 ひとのからだが触れるたび、熱を感じる。むっとするような臭気も、くすぐったい髪の感触も、快も不快も一緒くたに、……僕たちは冷蔵庫から出てきたのだから、これはまるで料理だった。
 とりどりの具材のなかで火にかけられて僕は。
 孤独を感じる。
 未だ調理のなされないフライパン上。
 もみくちゃの熱と、かおりと、湿気のにぎやかさ。

 シンプルなひと言で 「メエ」 調和するレシピ
 ラセンとアモンのクッキング・バレエ
 草を食め 美少年よ!

 そう僕はここにいる、触れあってさえいるここにいる、誰の名まえをも知らないで。僕は誰にも知られていない。「僕、アモン」。さみしいでしょう、そんなことは。そうでもないですか。でも僕は、そんなことはさみしいのです。
 だからこういった、冷蔵庫から出たからだがぬるまってくるくらいの階段で、僕は思わず探してしまう。

 アモンの宇宙で唯一のロマンス
 見知らぬキミと目が合って雑踏
 微笑んだらば マシュマロ・ロマンス・トランス・ストレンジャー
 
「アモーン! アモン!」
「ラセン!」
「ぼく、きみがいなくて! 困り果てていた!」
「僕もだ!」


  と、こんな感じに、こちらもちょっぴりポエジーで彩るふうの、パステルで愛くるしい、それでいてちょっぴり冷やかめな作品になりました。近ごろ書いたもののうちではいちばん気に入っています。「羊」合同誌に出すに相応しい作品になりました。羊の美少年がたわぶれつつゾッとしたりしなかったり。読みやすくフワフワとしたほうの文章になったものの、内容はさて、どうでしょう。
 遠藤ヒツジさんの「やがて犠牲たる未の黙示」は、もう、ゴリゴリですよ! 『ラプラスの新悲劇』のときのわたしなら真正面からぶつけあって合同誌はもうなんか血みどろだったかもしれなかったので、結局バランスはとってもいい、食らい合いのすてきな調和が味わえる「羊」合同誌です。
 ほんとおすすめ! ぜひ買ってください。読んでもらいたいです。
 「アモンの不思議な一週間」に登場する詩のなかでのお気に入りは、《ヘラクレスオオカブト探しにうってつけの朝》という一篇です。ぜひ探してお読みください。

 

 

★崩れる本棚発行『純文学アンソロジー』参加者:落山羊、遠藤ヒツジ、そにっくなーす、Pさん、高橋己詩、松原礼二、ウサギノヴィッチ(敬称略)

「エンタメだけがテキレボじゃない純文学もあるんだ!とカウンターするアンソロジーです。」(崩れる本棚公式Twitterより)

 とのことで、「純文学アンソロジーですー」とだけ聞いていたので、「そっかー」と思って提出したら「純文学」アンソロジーだったらしいですね!? というわけで、純文学もあるんだ!という言葉に疑惑を投げかけつつ、それぞれ濃い面子ですので、なんだかこれもまた激強いアンソロジーのような気配がぷんぷんしています。
 わたしは「アモンの不思議な一週間」の真逆のような作品「駒の夏で死んだ」を寄稿しております。

 
駒はゆっくりと用心深く周囲を観察した。枯れ果てた電柱に黒つぐみが留まっていた。痩せこけた犬が同じ円を永遠に踏みしめていた。犬は自らの尾に導かれていたのだが、その犬自身はもっと大いなる運命の標に因って、自分が果てのない踊りを踏んでいるのだと思っていたと駒は見て取る。痩せこけた犬の蹄が土と砂利と擦れあうかちゃかちゃという音が鳴っていた。犬はいずれ斃れるだろうと駒はあらかじめ知っていた。しかしそれはあまりにも明らかなことだったために、駒はあえて犬に告げなかった。大いなる運命たる自らの尾に導かれた犬の落ちくぼんだ眸は白く濁っていた。舌は垂れ下がり爛れていた。尾の毛はあらかた抜け落ちていた。駒は痩せこけた犬そして向日葵とすれ違った。駒の背後では向日葵と犬とがぶつかり、犬は斃れた。

 

 なんて風です。今回のテキレボで新作として書いた中ではいちばんかため?かなと思います。「アモン」のほうが少年で、「駒」が少女ということで、どちらも奔放に書けました。純文学アンソロジーは、ほんと、豪華な本になりますよ~。こちらまだ詳細な情報はでていないのですが、配布ではなく販売ですので、ご注意くださいね! お金を出して買う価値は絶対ありますよ。じゅんぶんがく!

 

 

 というわけで、以上、テキレボでお披露目できる新作は三作ということになります。どれもいい本です。ぜひ網羅してくださいね(にこにこしながら)。
 実際、『鰐と運命的滅亡のメルルカ・アンポルカ』も『落ちる羊、遠くのヒツジ』もそうそう点数が多いわけでもありませんので、ぜひこの機会に手に取っていただけたらなあと思います。テキレボには「お買い物代行」というすばらしいサービスもありますので、ご検討くださいね。『純文学アンソロジー』のほうは把握していないのですが、『メルルカ・アンポルカ』と『落ちる羊、遠くのヒツジ』はきちんとお買い物代行のリストにも這入っておりますので。
 無料配布のペーパーやなにかもきちんと用意していきたいのですが未だ未定です。当日かみっぺらが置いてあったらヒョイと持って行ってください。

 

 ところで、新作といえばです。
 「机上小説家企画」に参加します。こちらは当日テキレボにいらっしゃるかたのお話になるのですが、そう、会場で「新作」を即興してお渡しする企画です。スケブの小説版です。ドヤッ。遠藤ヒツジさん主宰の羊網膜傾式会社さんの企画でして、6サークル9名もの作家さんがこの企画に参加することになりました。
 この「机上小説家」のおそろしいところはですね! 

「当日誰にも頼まれないこと」

 です! 用紙(ポストカード)もこちらで用意しておりますので、「書いてくださーい」と一言お気軽におっしゃっていただくだけでオッケーです。お声がけいただけたらうれしいなー。練習してるんですよー。当日はボードを用意していただけたようで、声をかけにくい!というかたのためにもテイクフリーの即興掌編があるとか、ないとか?
 当日任せのがむしゃらさで進行する、およそ作家には不向きな企画ではありますが、ガンガン試してください。作品の出来不出来にはお口チャックという素敵ルールもあります!(保身)
 落山はだいたいブースにいると思います。とっつきにくそうなのは見た目だけです。あっそうだ、すごく短髪になりました。さわやかな雰囲気で座ってるはずです。チェックしてみてくださいね~。

 

 

 こんなものでしょうか。ダイジェスト、どれもお気に入りの箇所が多くて抜き出すの悩みました。全編どれも好きなので、読んでいただけたら嬉しいです。当日の捌け具合にもよりますが、おそらくは文学フリマ東京でも頒布できるはずですので、テキレボ来られないかたにはまたアナウンスできればいいなあ。
 いまからテキレボ楽しみでわくわくしてます。ファンタジーのジャンルにブースもらうのもはじめてなので、無駄にそわそわしています。初参加!初参加!ちがうけど!
 当日いろいろなかたにお会いできることを楽しみしております。わーい。

 

 

 

ヲンブルペコネ

2016年2月27日土曜日

メルルカ・アンポルカ入稿しました。(跳世ひつじ)

こんにちは。ヲンブルペコネです。
先日テキレボのWEBカタログが公開され、わたくしも無事に新刊の入稿を終えました。
こちら書影です。



じゃ~ん。

まだ届くのは先なので、実際の質感がどうかはわからないのですが、とりあえず84頁なので薄めかとは思われます。

そんなわけで、新刊の著者は「跳世ひつじ」です。今回はじめて奥付に著者近影を載せました。

『鰐と運命的滅亡のメルルカ・アンポルカ』
★文庫判84頁、300円で頒布いたします。

なお、少女小説ラリーさんと滅亡探訪さんの地図に掲載していただきます。少女小説らしい少女小説のほうはいろいろ間に合わず断念しました。うう。で、本作のほうは、


すべての種が九九九年のやくそくのもと滅びる大陸メルルカ・アンポルカ。
人間の九九九年がおわり、毛皮鰐の九九九年がおわり、つぎにおとずれたのは幽霊の九九九年でした。
幽霊のニャンプーはやくそくを超えて生き延びた詩人ララバイと出会い、毛皮鰐に運命的滅亡を与えるためにメルルカ・アンポルカ大陸をうたいながら歩みゆきます。


という感じの、ちょっと児童文学っぽいかんじのリリカル・ファンタジーです。
どのあたりがリリカルかというと、ニャンプ―とララバイがへんな節のうたをしょっちゅううたっています。跳世はめちゃくちゃ考えたわけです、へんてこソングを。そこがいちばんの見どころであり、描きたかったものだったわけです。
漢字も少な目なのですが、これはあくまでも書き手の好みのバランスでひらいただけなので、時折難読も混ざるやもしれません。でも、なんとなく子どもさんも楽しめるといいなーと思いながら書きましたので、ぜひ。

身も蓋もなく言うと、ふんわりヘンテコで理屈とかがないかんじのnot本格ファンタジィです。

恩師の「きみは童話を書くべきだよ」という言葉を思い出しながら書いた作品であります。わたくしのどこを見てそうおっしゃっていただいたのか正直今でも謎なのですが、いま思えば書いてた演劇の脚本のせいですね、きっと。うたやせりふの雰囲気を当時のふうに回帰してみたりもしました。

さてさて、著者のお話をしようと思って今日はブログを書いているのでした。
マスコットキャラクタとか適当抜かしていた「跳世ひつじ」でありますが、この存在は【ヲンブルペコネ】において「エンタメ」を担うサークル内レーベルになってくれたらなと思って創設した次第です。

というのも、わたしはもともと「落山羊」的な文章を書き始めたのがここ二年くらいのものでして、実はずっとWEBの片隅でまったく異なるペンネームでファンタジーを書いていたのですね。ちょくちょく言っていますが、少女小説の愛好家であり、エンタメ系のもろもろが大好きなんです。いつかWEBで書き溜めたものをオフでも発表したい、という願望がずっとありました。
しかしまず「落山羊」ではじめた活動は文フリメインで「純文学」ブースだし、結構がっちりしてきてしまったなあということで、それなら新たな名まえでやっちまお、ということです。ひとりサークルのくせに意味わからないサークル名もつけていたし、というのが幸いしました。【ヲンブルペコネ】の屋号はこのまま、下にいくらでもバリエーションを持たせられるので。

そんなわけで第一弾が『鰐と運命的滅亡のメルルカ・アンポルカ』という変化球になってしまったのは自らの不甲斐なさですが。
修正がどうしても間に合わず。悔やまれます。
なのでWEB作品のサルベージは秋のテキレボを目標に、ゆくゆくはコミティア出られたらいいなあなどとも考えています。あっでもメルルカ・アンポルカも面白いのでよろしくお願いいたします。

メルルカ・アンポルカにはわたくしから鰐に捧げるラブソングという側面もありますので、そこらも感じていただけたら嬉しいです。鰐、だいすきなんです。アリゲーターでもガビアルでもなくクロコダイルの、それもイリエワニが! ほんと!
どうでもいいけれど落山も鰐小説をいくつか書いているし、鰐の詩もしばしば書いているので、猫と鰐とかそんな好きな動物の適当まとめ本とかいつか出したいです。適当すぎるかな。


先日、5月の文学フリマ東京の振込も済ませてきました。
出展を悩んでいたのですが、最近書きたいものができてまたばりばりやっているので、間に合えばそれを持っていくことになるかと思います。とはいえイベントにあわせて小説を書くのも「しめきり」という言葉も結構嫌いなので、新刊なしの可能性もあります。どうせ既刊がほとんど手元にないため増刷しなければいけないので、どちらかをとることになるかも。お財布との相談です。
とりあえず最近はまた調子もいいので、書きたいものを書きつつ、マイペースにやっていきたいです。跳世ひつじ作品のほうもメルルカ・アンポルカに続いてどんどん造ってゆけたらいいなあ。


みなさま、3月21日はぜひ浅草はテキレボでお会いしましょう。
【ヲンブルペコネ】はB-09におりますからね!
 新刊は遠藤ヒツジさんと落山羊との合同誌『落ちる羊、遠くのヒツジ』と跳世ひつじ『鰐と運命的滅亡のメルルカ・アンポルカ』ですよ! 覚えて!
あとは崩れる本棚さんの『純文学アンソロジー』にも寄稿しています、かなり豪華な面子ですのでこっちチェック必須ですよ! 覚えましたか!

また遠藤ヒツジさん主催の「机上小説家」企画にも参加します。
ざっくりいうと小説のスケブです。当日いらっしゃるかた限定の企画になり、またお時間三十分ほどいただくのですが、ご指定のテーマではがき一枚ほどの掌編を即興で書いてプレゼントする無償奉仕です。どうですか。魅力的ですよね。落山にもぜひ頼みに来てください。この企画のこわいところは依頼者ゼロ人、とかですから。お気軽に声かけてくださいねー。

それでは最後が怒涛の告知になってしまいましたが、とりあえず当日までにダイジェストとかもろもろをまた更新しようと思います。内容重複してても、わたくしのメモリの惰弱さを心配するくらいで勘弁してください。こういった記事はもうちゃちゃっと書いて忘れないと嫌になってしまいますからね。
相変わらず告知なんかはTwitterメインでやっておりますので@You_Ochiyamaをフォローされるといちばんわかりやすいです。

いまは跳世ひつじのアカウントを設置しようか悩み中のヲンブルペコネ一同でした。


ヲンブルペコネ

2016年2月11日木曜日

今後の予定など

 だいぶお久しぶりです。
 先の文フリが終わって以来ですね。寒くなると同時に訪れる憂鬱ーな気分に年末年始で追い撃ちがかかり、そのままずるずるとブログやらネップリのことなんぞ忘れていた次第です。いよいよテキレボも来月だし、文フリ東京の申込期限日も過ぎたし、わたしもこうしちゃいられん、と徐々に立ち上がりはじめました。というか、〆切がね。
 Twitterのほうでも浮上が稀なのは、いっぱいいろいろ書いているからです。今日はそのあたりと今後のお知らせをしようと思って更新しました。



 まず、来る3月21日はテキレボ3について。
●アンソロ不参加
●少女小説ラリーに新刊一作で参加(予定)
●遠藤ヒツジさんとの合同誌『落ちる羊、遠くのヒツジ』発行(作業中!)
●純文学アンソロジーに参加
 このような感じです。
 今回【ヲンブルペコネ】としては「跳世ひつじ」というマスコットでもって少女小説ラリーにがっつり参加する予定だったのですが、思いのほか冬季の不調が響きまして、そちらでの新刊はいま修羅場です。出るかどうかわかりません。ブースは「ファンタジー」ジャンルで取得しているので、じつは純文学あたりにはいないのです!なので!新刊がでないとただの場違いになります。こわやこわや。がんばります。
 少女小説ラリー。いや、ほんと、がっつりラブファンタジーの「少女小説」を持っていく予定だったのですが、そちらはいま調整中です。新作は諦めまして、跳世ひつじともまた違う名義でのWEB作品の再録を出せるかいま努力しております。
 でもさすがに何もないのはまずかろうと新作を描いておりまして、これが少女小説ラリーさんに申請したものとなっております。
 ヘタレで……。
 羊合同誌と純文学アンソロジーのほうは書き終えているのですが。
 なかなか頭の切り替えがうまくいかず、本文であるはずの少女小説やらファンタジー新作やらが捗々しくないです。ひえー。自分、むしろ純文学ジャンルとうたって書き始めたほうがぜんぜん最近なので、(ずっとWEBの片隅でやってました)こちらをついにオフでやるときが来たといきりたっていたのですが。力みすぎたようです。うう。
 とにもかくにもテキレボ3の会場には何らかの新刊を持ってまいりますので、遊びにいらしてくださると幸いです。
 といっても、羊合同誌と純文学アンソロジーのほうがあるので、新作自体はあります。そういうことで!


 お次が文フリ東京ですかしら。
 うーん、実は参加を迷っていたのですが、とりあえずということで申込ました。まだ入金していないのですが。なにに悩んでいたかと言うと、イベントのためにもの書いているというかもう少し時間がほしいと思ったというか。マイペースに矯正したいというお話です。
 なので、もともとここを目指して新刊、という風には思っていません。書きたいものがいまあって、それが間に合えば持って行くし、間に合わなければテキレボで出したものと既刊のみの用意になると思います。それまではまあネップリやったり寄稿したりというふうに適宜遠ざかりすぎぬようにものを書いていけたらなーっと。
 このペースの問題ってけっこう苦しいんですよね。
 わたくしはかなり気分にムラがあるので、書けるときは凄まじいペースで書けるのですが、そうでないときもやっぱりあるし、ここらをちゃんと自分で管理できたらなあと思います。プロってこういう分野の創造をきちんと管理して気分と体調もいつでも書けるように整えることができるひとのことを言うんだよなーと好きな劇団の脚本家さんのTwitterを見ていて思ったことを思いだしました。

 あと、最近決定したことが、『季刊ヘキ』への参加です!
 こちら、とってもフェティッシュな季刊誌なのですが、この度ゲスト参加者を募集しており、応募しました。晴れて参加が決定し、嬉しい限りです。「キョウダイ×夏」の号ですので、まだ少し先のお話になるのですが、キョウダイ諸々に様々な葛藤やら萌えやらフェチがあるので、フェチと筆を尽くした一作を練りに練っていきたい。情熱です。
 こちら『季刊ヘキ』vol.3が通販開始したばかりですので、チェックですよ。
 そして「散歩と遺体」企画も無事原稿を提出し終えました。公開開始はこちらもまだ先ですが、待て続報ということで。


 こんなものでしょうか。
 近況はうーん。ダウナーでした。1月は少女小説40冊以上読みました。ロマンス脳がばりばりなので書くもの書くものどこかロマンチックになっていて「ははーっ」という感じです。ラプラスのときのアッパーなテンションの反動でしょうか。とにかく最近は元気だし、もうすでにバレンタインデーのチョコレート買って食い終わりました!あとフォンダンショコラも2回も食べに行ったし!
 でもチョコレートはそんなに好きではないです。
 ちょっとした息抜きでしたので、再び原稿に戻ろうと思います。書くのは楽しいのですけれどねー。なんかいらないこといろいろ考えるようになって、キーボードをたたくこと、自分で少しずつ難しくしてしまうのかもしれません。文フリ東京後の予定は未定ですが、あまり先のことも考えずにいようかな。
 いろいろと同人誌を通販したり、買ったもの読んだりしているのですが、なかなか感想をまとめmて伝える力が出ず。きちんとしたいです。自分がいただくものを見ると、やっぱりとっても元気が出るので、わたくしからもそういったぱぅわーを発信したい……。


落山 羊